さらに、代々続いていた単独トップ下のファンタジスタのような戦術に当てはめにくいタレントも、2トップの1角やシャドーの1角というシステムや戦術的にも機能するタレントとしてアップデートされた。
現在8戦10得点5アシストのマックス・クルーゼ&リオ五輪得点王のセルジュ・グナブリー
それがマックス・クルーゼとセルジュ・グナブリー。どちらも今季から加入したFWで、最前線で得点をアシストする役割と共に自ら得点も奪えるセカンドトップを得意としている華のあるタレントだ。
昨夏のリオディジャネイロ五輪で得点王となり、今季移籍期限のぎりぎりでアーセナルから加入したグナブリー。すでに10得点を挙げている彼の凄さは筆者が以前に当コラムで執筆した以下の記事を参考にしてもらいたい。
【参考記事】
『リオ五輪得点王がブレーメンの救世主に!アーセナルが発掘したMFセルジュ・グナブリーとは?』
そして、現在絶好調なのがクルーゼ。実に直近の自身8試合の出場で10ゴール5アシスト。第30節のインゴルシュタット戦では4ゴールを挙げる大活躍で、シュートだけでなくパスやキープ力に秀でて周囲を活かせる彼は、もう誰にも止められない。
21歳と若いグナブリーに対し、現在29歳のクルーゼは今季リーグ通算14ゴールを挙げており、これで直近の5年間で4度目の1部リーグ2桁得点となったドイツ代表14キャップを持つ実力者。
クルーゼが怪我で長期離脱した前半戦は、クラブが期待したタレントだったからこそ痛かったが、その間にグナブリーがエースとなってドイツ代表にも召集され、グナブリーは代表デビュー戦でのハットトリックという離れ業をやってのけた。
ただ、後半戦はグナブリーが負傷欠場した事で、現在誰にも止められないクルーゼとはあまり共演できていない。やっと戦列に復帰して来た前半戦の立役者・グナブリーが絶好調男とも華麗なるコンビを披露できるか?ブレーメンにはまだ伸びしろがある。
そして、この2人の活躍はシーズン後に大陸王者が集うFIFAコンフェデレーションズカップにW杯王者として出場するドイツ代表のヨアヒム・レーヴ監督が誰よりも喜んでいるだろう!
遂に完全復活したヴェルダー・ブレーメン。未だにタレントを観る楽しみと共に得点の(失点も)多い攻撃サッカーを現代版にアップデートした彼等のサッカーを残り3節となったブンデスリーガで楽しんで欲しい!
(※本稿公開直前の試合でブレーメンは敗れ、無敗記録はストップ。暫定7位に後退。)