嘘か誠か地獄の天使 ジャーナリズムの光と影
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英国の公共テレビ”チャンネル4″がジャーナリストのクリストファー·ヒッチェンズ:Christopher Hitchens【1949年4月13日生-2011年12月15日没】のMCでマザー·テレサのドキュメンタリー番組『Hell’s Angel=地獄の天使』を放映したのは1994年。翌年ヒッチェンズは出版もしている。1989年8月アルバニア訪問時、テレサはネジミエ·ホジャ:Nexhmije Hoxha【1921年2月7日生-2020年2月26日没】夫人をはじめ当時のアルバニア政府に歓迎され、黒い交流があったとされるホジャの墓前に花束を添えた。その知名度を利用しようと政界財界の魑魅魍魎が群がったが純真な修道女は、来るものを拒まず。四半世紀が過ぎて今更、泉下の客が善か悪かと論じることに興味はない。著者のヒッチェンズも既に鬼籍に。マザー·テレサを守銭奴と批判する書籍で、ヒッチェンズもそれなりの印税を手にしている。真実であろうがなかろうが、テレサの従来のイメージを覆さなければ金にはならないのだから。政治、教育、文化や芸術、そしてジャーナリズムも本来自身が金を儲ける為の仕事ではないのに、権力を手にしてしまった瞬間から人間が豹変するのはいつの時代も変わらない悲しい性（さが)なのか。〖第九十六話了〗
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