2018年12月22日の仏リ-グ·アン。アウェーのアンジェSCO戦は、ミトログルがオリンピック·マルセイユの僚友、酒井宏樹:Hiroki Sakai【1990年4月12日生】と同じピッチに立った最後の試合。マルセイユからガラタサライへと貸し出された二カ月後に長友と共にスタメン。そしてシ-ズンを跨いでPSVアイントホーフェンに貸し出されて9月14日エ-ルディヴィジ第六節では堂安律:Ritsu Doan【1998年6月16日生】と互いに途中からピッチに登場して初共演。幕を明けたばかり欧州新シ-ズン。年々日本人プレ-ヤ-の数は増えているが、一年以内に異なる三つのクラブで異なる日本人と同僚になった欧州の選手は記憶にない。22年にアリス·サロニキ退団をもって実質一線から身を引いたミトログル。デュイスブルクから西へ二十キロ離れた街シャエフイセンのアマチュアクラブに所属し”趣味”でボールを蹴っていたのは間違いない。22年カタ-ルで元同僚三人が揃ってドイツ代表と戦う姿をドイツのテレビ画面で視たのだろうか。
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切れ味鋭いドリブラ- 湘南に新たな風を吹き込む
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さてレモンガススタジアム平塚でのゲ-ム。FC東京とが先制、後半にも追加点を奪い長友も攻守に安定したプレ-を見せていた。ベルマ-レ平塚は降格圏がすぐ目の前、現実的なプレッシャ-なのか動きが鈍い。敗色濃厚と思われたチ-ムに一人のプレ-ヤ-が勢いをもたらす。背番号二十MF石橋瀬凪:Sena Idhibashi【2006年4月22日生】は期待の高卒新加入。兎に角左から仕掛けるのだが、ドリブルのリズムが独特で対面の長友も手こずる存在。スぺ-スを与えギアが入ったら止められないから、その前に激しいコンタクトで潰しにかかる。
それでもこの若武者の投入で流れを引き寄せ、土壇場で追いつき貴重な勝ち点一を獲得した。この試合はホ-ムチ-ム側のスタンドを背に撮影したが、このドリブラ-がサポ-タ-の熱量を上昇させ、彼らの声が選手を後押しする好循環を生み出した。欧州から帰国後約一ヶ月ぶりにその熱に触れたが、何処の国であろうともスタジアムは興奮と感動を与えてくれるパラダイスなのだ。〖第五十六話了〗
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⏹️写真/テキスト:横澤悦孝 ⏹️モデル:Luiza Ansay