51〗 Illovszky rudolf stadion / ブダペスト


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中国とハンガリ-の関係で記憶に刻まれているのが、2021年に開催がずれ込んだUEFA欧州選手権。6月15日のボルトガル戦、更に19日のフランス戦が開催されたのはブダペストのプシュカシュ·  アレーナ。現地から送られてきた映像に世界が驚嘆した。いやいや試合内容ではなく観客席を全開にしている荒業。他の都市では入場制限をかけているからスタンドには空席が目立つのに、鮨詰め理由はワクチン接種率の高さ。EU加盟国内では初の中国医薬集団:シノファーム製ワクチンを導入したのは右派ポピュリズムの執権者オルバン·ヴィクトル:Orbán Viktor【1963年5月31日生】首相。
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この時詰めかけた五万五千人を超える観客の多くがマスクなしで観戦する姿を中国メディアが自慢気に報道していたのも印象に残った。 
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スタジアム名にもなった伝説の選手兼監督

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第51話はブダペスト北部の13区にあるイロフスキー·ルドルフ·シュタディオン。ヴァシャシュSCのホームスタジアムの収容数は五千五十四人とこじんまりしてはいるが上写真のとおり見やすいことは間違いない。
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スタジアムの外には、かなりリアルなイロフスキー·ルドルフ:Illovszky Rudolf【1922年2月21日生-2008年9月23日没】の像。ヴァシャシュSCでは選手兼監督を務めた名ウィンガ-。今でこそ二部の常連ではあるが六十年代の黄金期は今も語り草に。’57年から’66年の十年間で五度の国内制覇を達成。ラストは無敗でシ-ズンを駆け抜けている。’71年からの三年間はハンガリー代表監督も任されたイロフスキー。ベルギ-で開催された72年のUEFA欧州選手権では準々決勝でル-マニアを退け四強入りを果たしている。この東欧対決にも時代を感じる。東欧のラテンもかつては強豪国だった。同年のミュンヘン五輪決勝ではポ-ランドに敗れ銀メダリストに。

’94年生まれの三人のストライカー

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今回の主役は何れもハンガリー代表に選ばれて得点も記録している三人のストライカー。あの日あの時は■2022年8月6日ネムゼティ·バイノクシャーグ1部第二節ヴァシャシュSE対パクシュSE。2017-18シ-ズン以来となる久しぶりのトップリ-グ。前述のとおり新スタジアム完成後では初となる。開幕戦はアウェ-でスコアレスドロ-。しかしこの日スタンドの半分は空席となる寂しい状況。試合は1-1で折り返した後半直後、互いにゴ-ルを奪ったまま膠着状態が四十分以上続いて、終了のホイッスルの音が響き渡る。
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この日ヴァシャシュのツ-トップは共に1G1Aと仕事はキッチリこなしている。八月二日に移籍が確定した為この日がハンガリーでの復帰戦となったのがフィリプ·ホレンデル:Filip Holender【1994年7月27日生】。セルビアのクラグイェバツに生まれ高校入学の年代で越境。ブダペスト·ホンヴェドのユースチームからトップチ-ムへと昇格、’13年トップデビューを果たした相手もこの日対戦したパクシュ。写真は’17年に撮影。アグレッシブなプレ-と妙に重い数字の背番号が印象に残っている。その後スイスのFCルガーノから母国のパルチザン·ベオグラードへと貸し出される。その間代表チ-ムからも声が掛かるのだが祖父の母国ハンガリ-を選択。代表初ゴールは’19年モンテネグロとの親善試合。前述のフランス戦ではプシュカシュ·アレーナのベンチに座ったが残念ながら出番はなかった。
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