33〗Zirineio Municipal Stadium / キフィシア

ルーカス·ビジャファネス:Lucas Villafañez【1991年10月4日生】はCAインディペンデンテ時代には2011年U20ワ-ルドカップでも得点を記録しているが南米のことは詳しくない。それでも欧州からのオファ-が届くのは時間の問題。’14年にパネトリコスの青黄縦縞に袖を通したのはレンタルの一年間のみ。翌年AEKアテネが獲得に乗り出したが移籍はまとまらず獲得したのはライバルを出し抜いたパナシナイコス。’22年から24年まで在籍したAPOEL·ニコシアでも背番号は十番。現在キシフィアでも十を背負うがこのイリオポリ戦では一列下がったポジションでゲームをコントロールした。

実はクロナリディスも2020ー21シーズンにAPOELでプレーしており、この二人はパナシナイコス時代の同僚。初共演は’16年2月のシュコダ·クザンティ戦。スリートップの右にクロナリディス、左にビジャファネスを配置。中央には2008年のUEFA欧州選手権にクロアチア代表の一員として出場したムラデン·ペトリッチ:Mladen Petrić【1981年1月1日生】。しかし無得点でまさかの黒星。二人が揃って出場した試合での初勝利となると五月のプレーオフ第三戦。
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AEKアテネに3-0の完勝。二点目をクロスボールでアシストしたのがビジャファネス。残り三分でビジャファネスと交代したクロナリディスも独走からのシュートで三点目を決めており、与えられた僅かな時間でもインパクトを残した。そのパナシナイコスが財政難を理由に給与未払い。抗議のため選手達がストライキをしたのは二年後の2018年春。
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なぜ日本人はストライキをしないのか  しないのをを知られているのか。

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一昨年異常な熱波に見舞われたアテネでは最大の観光スポットアクロポリスを閉鎖した。この古代遺跡で働く労働者達が炎天下での過酷な労働に抗議のストライキを断行。確かに45℃で働いていたら生死に関わる。昨年は正午から午後五時までの屋外作業を中止するよう建設や配送等各業界にギリシャ政府からの通達がされていたのを思い出して最後はこの写真をアップした。

アテネで一緒にストライキによる不便を被った観光客夫妻。「日本人はストライキしないでしょ?」と声を掛けられた。物価は上昇する一方で労働条件や低賃金に対して不平不満を言わず、現在の日本経済を停滞させている一因は牙を抜かれ抵抗を放棄した労働者でもある現状を説明したいが、悲しいかな筆者の語学力では到底説明できなるはずもない。それにしても何で日本人がストライキしないのを知っているのか、住んだこともないくせに。
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そこで仕方なく思いつくまま「ジャパニーズピープル···ノー コーズ トラブル フォー ユーザース···フォー オウン コンビニエンス. ジスイズ ジャパニーズスピリッツ! =日本人は自分達の都合(権利の)ために、利用者=顧客に迷惑をかけることはしない。それが日本人の精神です。」と頭の中から数少ないボキャブラリーを絞り出してみた。この場合自分達の権利はどんな単語を並べてよいのか出てこなかったので、オウンゴールのオウンは使うとして“都合”はコンビニエンスをくっつけた。ほぼ毎日利用するコンビニエンス·ストアなる言葉。便利=都合が良いを意味するコンビニエンスは、都合だけでも使えると聞いた気がする。何となくではあるが通じたらしく納得してくれているではないか。

さて 今回のギリシャとの比較発言。報道を知って現在のギリシャとの比較だと思っていたのだが、ロイター通信はEuropean debt crisis=欧州債務危機を勝手につけたことが大く波紋を広げる羽目に。この日本語にすれば僅か五文字を付け加えるだけで、’09年にギリシャ国債がGDPの113%に達した時の金融危機になってしまうのだから言語とは斯くも難しく恐ろしく、そして面白いものかと思い耽る。それにしても日本とは経済構造が根幹から異なるエ-ゲ海の国を引っ張り出す必要があったのか不思議でならない〖第三十三話了〗
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