「最後まで諦めない」姿勢を貫くなでしこJAPANは日本の誇り
【女子W杯カナダ大会・決勝】
日本代表2–5アメリカ
得点者
<日本代表>大儀見(27分)、オウンゴール(52分、byジョンストン)
<イングランド代表>ロイド(3,5,15分)、ホリデー(14分)、ヒース(54分)
『本気のなでしこ対策』でセットプレーから先手2発
決勝トーナメントに入って先発メンバーを固定した佐々木監督はこの試合でも4試合連続で同じ11人をピッチに送り出してスタート。対するロンドン五輪決勝で日本を破って金メダルに輝いたアメリカも先発メンバーの選考では奇策を打って来ず。大ベテランの日本MF澤穂希、アメリカFWアビー・ワンバックはベンチスタートとなりました。
試合の方はこの日はボランチで先発出場しながら左SBや3バックのCBとしてもプレーして奮闘した宇津木瑠美の言葉に象徴されるように、「立ち上がりの10分間で90分間が決まってしまった試合」でした。
その時間に何があったか?
試合開始からアメリカは日本の4バックで身体的なハンディを含めて守備の不安がある左SB鮫島彩のエリアを狙って攻め込んでセットプレーを獲得。
3分、右CKから蹴ったキックは何と地を這うようなグラウンダーのボールで。複数のアメリカの選手が動いてゴール前でスペースを作り、ぺナルティアークに「点」で合わせるように入って来たMVP候補のMFカルリ・ロイドが巧みに合わせたシュートを流し込みアメリカが先制。
5分には鮫島がファウルを取られた右サイドからのFK。今度はバウンドする低く速いボールを蹴り込まれ、ニアサイドでフリックして変化を付けられたボールに再びロイドが反応して押し込み、アメリカが2点目。
なでしこの選手達が口々に3年前のロンドン五輪での悔しさを言葉にしていましたが、悔しかったのはアメリカも同じ。4年前にPK戦の末、なでしこに敗れた記憶はアメリカの選手からは消えず、その悔しさが「本気のなでしこ対策」を周到に準備する事に繋がったのでしょう。なでしこからすれば、「身体能力や個人技をどう抑えるか?」がアメリカを相手にする時の守備面のテーマで、特に空中戦が課題で、「陸」(グラウンド)より「空」を意識していたはず。
しかし、アメリカは裏の裏を突いて地上戦に持って来るとは・・・。それだけアメリカは準備段階から必至でそうさせたのも、皮肉にもなでしこの実力があったからこそでしょう。