年度 | 出場試合(先発) | 出場時間 | ゴール | アシスト | シュート |
---|---|---|---|---|---|
2009 | 3(1)試合 | 71分 | 0 | 0 | 4 |
2010 | 26(22)試合 | 1847分 | 7 | 1 | 83 |
2011 | 14(13)試合 | 1120分 | 4 | 3 | 25 |
2013※1 | 18(18)試合 | 1514分 | 19 | 2 | 70 |
2014 | 26(23)試合 | 1858分 | 10 | 9 | 68 |
特筆すべきは、2010年も2011年も現在のFWではなく、主なポジションは【4-4-2】の左サイドMF。
2010年は開幕当初は主力ではなかったティーンネイジャーの1人だったので、現在のように相手チームから徹底マークされる事はありませんでしたが、この年の日本人選手では最多のシュート数を放っています。34試合計算だと3060分の中の3分の2にも相当しない出場時間で最多のシュート本数を記録するほどフィニッシャーとしてプレーしていたのは明白です。
逆に、2011年はかなり対策をとられた結果としてシュート数は激減。その分、決定力とアシストが増した印象もあり、少し成熟したところでドイツの名門・バイエルン・ミュンヘン、その後に新進気鋭のクラブ・ホッフェンハイムへ移籍していきました。
そのドイツでの2年間でリーグ戦23試合(先発17)1426分出場2ゴール2アシストという彼にとっては「挫折した」結果しか残せずに、昨季途中からJ2に降格していたガンバに復帰。それまでとは違ってFWの一角として1トップを務める試合も多かったのですが、リーグ戦で半分に満たない途中加入の選手としては異例の得点ランキング2位。その数字と共にシュート数も明らかに増えていました。
しかし、今季はとにかくシュートが少ない。コンスタントに得点が記録できなくなっている最近の方が1試合平均で3本以上のシュートを放っているので、現在は逆に増えてきているぐらいなのですが、それでも今までの彼からすれば少ない。ミドルシュートからのリーグ戦でのゴール数6はリーグ最多なのですが、彼の持ち味は”ウサミドル”などと言われている右足の弾丸ミドルではなく、エリア外からでもインサイドキックで両足問わずに流し込めるシュート力だと僕は思っているので、インサイドキックでエリア外からシュートを放つにはダイレクトで狙うありません。
つまり、もっとバイタルエリアで前を向く時の覚悟が必要なのかもしれません。
また、かつて「ガンバ大阪でプレーするFWは得点王がノルマ」と言われた時代もあるのとは対照的に、現在の宇佐美は先発23試合で10ゴールのみ。ゴール数としては2010年と変わってないぐらいで、シュート数は大幅に減っています。
これらの原因は裏への抜け出しとスピードも併せ持つ189cmのフィジカルモンスターと言える”最強FW”パトリックの存在。プレッシャーがかかる試合や局面ではシンプルに彼目がけて放りこむロングボールがあまりに多過ぎる。相手チームがパトリックを抑えきれないからこそロングボールを使うわけですが、それを宇佐美までする事が多くなり、結果として自分で考えてプレーする事が少なくなってきたように思います。もともと試合中は感覚的にプレーしてきた宇佐美にとっての課題が、今や自分が得意としてきた仕掛けの部分でも影響しているのではないか?というのが僕の見解です。
最近よく、「(パトリックにアシストして)お膳立てしてるんやから感謝して欲しい」というような宇佐美の発言がありますが、「自分で決めろよ!」と言いたい。
というか、今までなら、「相手にマークされても点はとれる」「マークされて取れなかったら、それまでの選手」と強気な発言を繰り返してきた彼からは想像もできない発言だと思います。
集団とは違う事を許さない日本の文化が宇佐美貴史という稀有なサッカー選手を“普通の選手”にしてしまいそうで怖いのです、
宇佐美には堂々と我を貫いてもらいたいです。
以上、③のフィジカル面のお話は、最終的に代表入りへの条件になるような検証と合わせて近日中にまとめたいと思います。