Foot ball Drunker〔151〕visiting『Stadion Maksimir』ザグレブ/クロアチア

除雪されたピッチに雪礫の嵐

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スペイン通算四度目の欧州制覇。クロアチア、イタリアにしっかり勝利。独仏英とPK戦での勝ち上がり無しで堂々の7連勝。唯一延長戦へと突入したのは開催国との試合。事実上の決勝=天王山はカタールで日本代表に敗れた両国の顔合わせだったのか。ダニ·オルモ:Daniel Olmo【1998年5月7日】が先制点。延長後半には絶妙のクロスで決勝ゴールをアシスト。負傷交代のペドリに代わっての途中出場ながら大車輪の活躍。


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第151話はクロアチアの首都ザグレブにあるマクシミール。多くの日本人がイメージする同国は旧ユーゴからの分裂国でも西南、アドリア海に面した観光立国のイメージではないだろうか。確かに西側は風光明媚。地中海性気候で温暖ではあるものの、東側に位置するザグレブは大陸性気候とあって、真冬は当たり前のように氷点下が続く。


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欧州のスタジアムが戦場なのは言うまでもない。しかし最大の敵は寒さ。過労もあってか少々風邪気味で入国。バックパック一つ背負っての一人旅。衣類も最少限にとどめ重ね着するものはないから防寒対策として、現地のスーパーで購入したラップを巻き付けることに。宿舎のロビーでミイラ男に変身中の写真がコチラ。東洋人の奇行に宿泊者もスタッフも皆振り返る。


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幸い宿舎はスタジアムまでトラムで一区間の距離。撮影許可証を受け取り、雪の塊をよけてピッチサイドへ。選手入場時にはこの演出。旗を掲げた美女達が彩りを添える。脚線美が並ぶ中に黒一点ならぬ茶一点。背番号13番はマスコットのライオン“プラフコ”。スタジアムの観客は984人と1000人の大台には届かず。この寒さではそれも仕方ない。


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このチームの主将は半袖で気合い充分の北マケドニア代表アリヤン·アデミ:Arijan Ademi【1991年5月29日生】。
本年4月のヴァラジュディン戦でNKディナモ·ザグレブでの400試合出場を達成したアデミ。これは最多記録保持者=468試合のゴールキーパーのドラジェン·ラディッチ【1963年1月1日生】に次ぐ数字でフィールドプレイヤーとしては初となる快挙。
2016/17シーズン、ドーピングスキャンダルで棒に振ってしまいタイトルをリエカに奪われる醜態。翌シーズンに闘将復帰で王座奪還に成功したブルーズ。クラブ史上最も多くのトロフィーを手にした選手となり、偉業は更に続きそうな気配。


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いきなりの洗礼で参ったのはゴール裏に陣取った悪童達。相手キーパーに向けて強く握ってカッチカチに固めた雪の礫を次から次へと投げる投げる投げまくる。
更にターゲットは敵ゴールキーパーだけでなく、撮影スタッブにも容赦なく飛んでくる。「あいつらはクレージーだから気をつけろ」と隣からの忠告、それにしても雪合戦に慣れているのかコヤツら中々の強肩ぶりでコントロールも悪くない。


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