多言語 混成民族の中立国が輩出した強豪ナショナルチーム
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9月18日最新のFIFAランキングが発表された。FIFAワールドカップの組分け抽選会がワシントンDCで行われるのは師走に入ってから。そろそろポット分けが各国のファンも気になり始めるところ。現状ポット2に該当する国は開催国を除けば、イタリア、モロッコ、ドイツ、コロンビア、ウルグアイ、スイス、セネガル、日本、デンマーク、イラン、オーストリア、韓国の順番。北米遠征未勝利の日本代表は順位を二つ落としている。十二月の対戦国はボリビアに決定。もう一試合は交渉中。十二月は国際Aマッチデーがないのでポット2はキープできるものと楽観視している。何故ならば欧州予選は十二グループに分かれて首位が当確。二位はプレーオフへとまわる。欧州勢が四チームもポット4に入る羽目に。現時点ではスロバキアに敗れ三位のドイツ、ノルウェーに敗れ二位のイタリアだけでなく、日本とのポイント差が然程ない
デンマークもスコットランドとホームで引き分けて勝ち点差なしの状態。最終戦(11月18日)敵地での直接対決で敗れるとプレーオフ行きも有り得る。四戦全勝のオーストリアにしても一試合消化が少ないので二位。首位のボスニア·ヘルツゴヴィナとの最終戦まで縺れそうな気配が漂う。そんな中唯一首位で予選突破=ポット2がほぼ確定と思われるのがスイス代表。スロベニア代表に3-0、コソボ代表相手に4-0と共にホームで完勝。次戦でライバル視していたスウェーデンがコソボに足を救われてしまい、スロベニアともドローで勝ち星がない現状。
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大騒ぎとなったアフリカとのホームタウン構想はどうやら白紙になる方向。欧州各国での移民政策は軒並み失敗している中で少々異なるのがスイス。2008年にUEFA欧州選手権を共催したお隣のオーストリアとスイスとでは大きな違いがある。共に永世中立国ではあるが、EUに加盟して通貨もユーロに変えたオーストリア、EU非加盟で独自のスイスフランを維持したのがスイス。そして移民政策で自身の首を絞めたオーストリアに対して、ある程度移民政策が成功しているスイス。現在国外出身者の占める割合は全在住者の三割に近い。移民受け入れの先駆者的スウェーデンでも二割には満たないしドイツは現在16%程度のはず。
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移民大国の半分は欧州フットボ-ル強豪国から
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もともと移民で国家を形成した豪州やニュージーランド、カナダでさえ上回る。ちなみに大統領がお怒りのアメリカでも15%に満たない。こうしてみるとスイス国内に外国出身者がいかに多いかは数字を並べて一目瞭然。しかしアフリカや中東からは少なめ、その八割が欧州の出身者。その中でもフランス、ドイツ、イタリア、と国境接する三大国が多いのは当然として、意外に多いのはポルトガル。この四ヵ国で約半数を占めるのだから近年フットボールの強豪国として安定した実力を保っているのも頷ける。
残り半数は世界中ありとあらゆる国から流れてきた多言語·混成民族国家。
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ジュネ-ヴの地で輝かしい歴史と文化を紡いだ偉人たち
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考えてみればジュネ-ヴ生涯の幕を閉じたロレックスの創業者ハンス·ウィルスドルフ:Hans Wilsdorf【1881年3月22日生-1960年7月6日没】、更にネスレのハインリヒ·ネストレ:Heinrich Nestle【1814年8月10日生-1890年7月7日没】にしてもドイツからの移住者だった。ローマ時代にこの地を治め、ジュネーヴと命名したのはあのユリウス·カエサル:Julius Caesar【紀元前100年生-紀元前44年3月15日没】。カトリックのサヴォイア公国から独立を果たしたのは1536年。ジャン·カルヴァン:Jean Calvin【1509年7月10日生-1564年5月27日没】たちが建国したジュネーヴ共和国で共和政治が始まる。 世界史の授業で習った偉人の名前が並ぶなか、地元住民の方が誇らし気に語ってくれたのが、思想家ジャン=ジャック·ルソー:Jean-Jacques Rousseau【1712年6月28日生-1778年7月2日没】。正真正銘のジュネーヴ人らしいが『むすんで、ひらいて』を作曲した他に何をした人なのか思いだせない。
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