生誕八十五周年を記念 英国王立の眩い輝き
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本年ジョン·レノン:John Lennon【1940年10月9日生-1980年12月8日没】生誕八十五年記念コインが英国王立造幣局から発売された。友人でもある写真家ボブ·グルーエン:Bob Gruen 【1945年10月23日生】が撮影した横顔がコイン裏面デザインに。日本の造幣局では今月からDRAGON BALL·四十周年を記念したコインも通信販売の受付が開始されているのだが、こちらにはまったく興味がない。そもそも日本が独立行政法人の造幣局なのに比べ、英国王立の四文字がスゴく権威と価値を高めている気がする。コインの輝きも悟空や亀仙人とは違うのではなかろうか。そもそも亀仙人がコインにはならないのか。
近代彫刻の祖がベルギ-に残した足跡
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欧州の首都とも称されるベルギーのブリュッセル。イクセルにあった旧陸軍病院跡地の再開発。事業の一環としてアルベール二世公園が1994年にオープンした。前年在位したベルギー第六代国王アルベール二世:Albert II【1934年6月6日生】の名前を冠しているわりには些か小ぶり。ブリュッセル中央駅からだとマグリット美術館、王宮を横目にトロ-ヌ広場まで南に下る。トロ-ヌ通りを南東に二キロほど歩くとクロンヌ通りに名前は変わり、オーギュスト·ロダン通りを右に曲がれば、スーパーマット横の公園入口が肉眼でも確認できる。
パリに生まれた巨匠オーギュスト·ロダン:Auguste Rodin【1840年11月12日 生-1917年11月17日没】は1871年から’77年にかけてベルギーのブリュッセルに滞在したこの時期、イタリア旅行を体験することで職人から芸術家へと変貌を遂げる。パリのように彼の名を冠する美術館のないこの国では、小さな通りの名前がベルギ-で暮らした唯一の痕跡かもしれない。
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ブリュッセル北駅の西側にあるエミール·ジャックマン大通り。延長した道路の中央スペースにはジャック·ヴィルツ:Jacques Wirtz【1924年生-2018年7月21日没】の設計したブルヴァ―ド·ロア·アルベール二世公園がある。1995年に始まり97年に終了したプロジェクトでは多くの彫刻作品が設置された。アルベール二世に敬意を表して改名されたのは二年後。既に退位から十年以上が経過しているものの、前国王は本年九十歳を過ぎてもお元気でいるから何より。立ち並ぶ彫刻の中で目を引くのはリリアンヌ·ヴェルテッセン:Liliane Vertessen【1952年生】の『シエル エ テール』(上写真)。これは1997年の作品。ベルギーのリンブルフ州にある小さな町レオポルトスブルク出身のヴェルテッセンはエロティックなポーズのセルフポートレートで知られる女流写真家。それとは別に彫刻家としてのもうひとつの顔を持つ。
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