家族の為の「引き際の美学」
心臓発作で医療搬送されて半年、エリクセンがトレーニングを開始した場所はオーゼンセ。
スポーツディレクターのマイケル・ヘミングセン:Michael Hemmingsen【1967年10月2日生】は、2009年にクラブを離れてからも両者の関係は途絶えることなく、エリクセンからの申し出を快く受け入れたとコメント。前述の95年のレアルマドリード戦では5バックの中央に君臨。1997年FIFAワールド杯欧州予選前にはA代表にも招集されたヘミングセンは2005年に引退。エリクセン在籍時の09年までは、アシスタントコーチを務めていた。
スカウト、ホストファミリーに医療関係者。指導者だけでなく多くの人に支えられて、現在の名声がある。
ICDを装着状態でのプレーがイタリアでは認められないが故にインテルを退団。他国に比べ心停止による死亡事例が多いのか。ICDの性能や研究データにケチをつける気はないが常に例外は起こり得る。保証された未来など世界中探したところで何処にもない。
長年のファンとして言わせてもらうならば、次回のユーロを節目に現役を退き、サブリナ夫人と幼いご子息・愛娘の四人での穏やかな生活を最優先すべきだろう。[第22話了]
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■写真/テキスト:横澤悦孝 ■モデル:平久保安純