ユ-ティリティの原点は 国際大会でのいきなりサイドバック?
◇◇◇◇◇
鹿島アントラーズに移籍してからのチャヴリッチのプレーをスタジアムで見てはいないが技術の高さ、スピード、守備での献身などそのユーティリティーは目の肥えたファン·サポーターからも高く評価されているはず。’18年当時撮影した写真を見ると柔らかいボールタッチが思い出されてくる。実はU19欧州選手権フランス選手権では右サイドバックで出場している。所属していたOFKベオグラードでも一回しか経験しておらずレッドカードで退場させられてしまったのには苦笑するしかない。昨年はスロヴァキア代表に初招集されながらクラブチームでの活動を優先した優良外国人助っ人。何よりグッジョブと称賛されるべきは契約を実現した鹿島アントラーズのフロントである。国内屈指の強豪スロヴァンに加入したのは’16年。市民権を取得し生まれ育ったセルビアよりも遥かに暮らしやすいブラティスラヴァからこんな東洋の島国まで引っ張て来たのだから。
◇◇◇◇◇
◆◆◆◆◆
アフリカには行ったこともなければ然程行きたいとも思わない。モロッコとエジプトのスタジアムならば将来行くかもしれない。但し欧州でアフリカや中近東から移民は嫌というほど見てきているからJICAホームタウン制度は大反対の立場。それは自身の眼で見て肌で感じた経験からのものでSNSの論調など関係ない。勿論様々なSNSを見聞きして参考にはするが、それで自分の意見が変わることは有り得ない。政府やオールドメディアは今回の誤解と批判は「SNSが原因」としたから、火に油を注ぎ批判を浴び収まる気配がないこの騒動。
◇◇◇◇◇
三十年間で発展した日本サッカ-と低迷した経済成長 世界を見て日本から目を背け続けた日本政府
◇◇◇◇◇
あらためて感じるのはSNSにはファクトチェックがないから一度誤情報が流れると、仮に訂正したとしても真実が拡散されていくとは限らない。政府やJICAの訂正に対して拒否するような批判的なコメントは増えるばかり。そもそも数が膨大に増えてしまえばチェックが正常に機能しなくなるのは、何の業種だろうが珍しい事ではない。良い外国人、日本に住んでいただきたい外国人も当然存在する。しかしLDC諸国や外務省がレベル4とする渡航禁止国の国民から優良な人材をチェックするのは物理的に不可能。例えるならば「欧州の名将を日本代表監督に据えれば間違いなくワールドカップでベスト8入りできる。」「UEFAチャンピオンリーグで活躍した選手であれば間違いなく活躍してくれる。」など、ある程度、欧州から実績のあるビッグネームを連れてきたとしも100%など有り得ない。
◇◇◇◇◇
◆◆◆◆◆
そもそも今回のJICAホームタウン構想は根幹に間違いがある。多文化共生の理念で国際交流そのものを否定するべきではない。問題は人口の減少による過疎化、地方の人手不足といった日本の最重要課題を議論する前に、安易に途上国から人を連れてくる着想に至った現政府に問題がある。
その対応は、日本人選手の指導を蔑ろにして、安易に外国人補強でチームを強化しようとしているようなものだから、地元のファンやサポーターに受け入れられるわけがない。
個人的にはJリーグに外国人枠は必要ないと思っている。本年Jリーグは未来育成パートナーを新設したが、’02年の日韓大会開催以降JFAは、より“普及”を重視してキッズプログラムを実施するなど、底辺の拡大に舵をきった。指導者の養成とユース年代の育成。この根幹に揺るぎがないからこそ外国人枠撤廃も可能になる。日本の問題を日本人で解決しようとせず安直に外国人に頼ろうとする政府など誰からも支持されるはずがない。〖第六十話了〗
◇◇◇◇◇
◆◆◆◆◆
⏹️写真/テキスト:横澤悦孝 ⏹️モデル:七菜なな