Foot ball Drunker〔166〕visiting『 Mestský štadión Pezinok』ペジノク / スロバキア

小カルパチアのワイン街道

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荒木飛呂彦:Hirohiko Araki【1960年6月7日生】氏の漫画作品『ジョジョの奇妙な冒険』シリ-ズの第9部が昨年連載開始。JR大阪駅西側エリアには、パブリックアート作品が設営されたのは今夏七月末日。実際同時代を生きた日本人芸術家では三本の指に間違いなく入る荒木先生。下写真筆者の隣にはジャン=リュック·マルティネス:Jean-Luc Martinez【1964年3月22日生】氏。彼が館長を務めていた2017年1月にパリのルーヴル美術館で漫画作品の企画展『小さなデッサン展―漫画の世界でルーヴルを』が実現。日本から唯一は荒木氏だけが招待されている。昨年はジョジョのスピンオフ作品『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』の映画化も大きな話題になった。


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第166話は、スロバキアにあるシュタディオンPŠCペジノク。スタンドの座席数は3000席しかなくともこのクラブには子供から大人まで250人以上が所属している。ブラチスラヴァから北東に伸びる小カルパチア山地。その東側にはスヴェティー·ユル 、ペジノク、モドラと小都市が並ぶ。この周辺はワインの名産地として知られている。同国の葡萄といえばフランコフカ・モドラ種。ブラチスラヴァの東、ラチャの街でマリア・テレジア杯が開催されているのは女帝がこのワインを愛飲したから。
Hlavná=中央駅で切符を購入。目的地のペジノクまでは五区間と三十分もかからない。二つ目の駅がラチャ、その次がスヴェティー·ユル。そして降りたのは六つ目のシェンクヴィツェ。ボーっとして乗り過ごしたので引き返す羽目に。


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1993年1月チェコとスロバキアは分裂。当然両国は独自のフットボールリーグを再編する事に。三部リーグは首都圏16クラブ·西18クラブ·中央16クラブ·東16クラブ、計66クラブが四つのエリアに分かれてのリーグ戦形式。


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照り付ける日差しが緑の芝に反射して眩しい季節の到来。販売しているビールはチェコ·オロモウツ州のプシェロフで醸造されているズブル。プシェロフはペジノクから北側国境を越えて200キロの距離。試合前バーからスタンドにアルコールは持ち込めるが禁煙。そしにペットも不可。スタンドで犬と少女を撮影したのはポーランドのスタジアム。その横に自転車(駐輪)禁止の意味不明なマーク。

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 撮影した試合は2018年4月のスヴェティー·ユル戦。4-1でホームチームが完勝。敗れたアウェーチームは最下位でシーズンを終了。スヴェティー·ユルの選手達は2018-19シーズンを四部でのプレー。33分のゴールは冬に補強したクブ·フォロニック:Jakub Hronec【1992年9月5日生】。スロバキア人ながら16歳で渡英。バーミンガムシティのアカデミーで研鑽を磨き2009-10シーズンのプレミアリザーブリーグ(U23)デビューはアーセナル戦。


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2011年にはブルガリア屈指の強豪PFCルドゴレツ1945ラズグラドと契約。カヴァルナにレンタルされてスラヴィア·ソフィア戦での初スタメンがトップリーグ戦での初陣。レフスキ·ソフィア戦でプロ初ゴールを決めてU19代表にも招集された輝かしい経歴の持ち主。実際この試合でも存在感は際立つ。

この欧州マイナ-国の三部リ-グを取材して「面白いのか?」と聞くだけ野暮。面白くなければ、行く必要がない。レベルの高いプレ-と試合が観たいならネットの映像で充分。