そういう選手がいる。
しかしミュンヘンで活躍し続けるうちに、こうした記憶は風化しそうな勢いである。
ただ今回はCONMEBOLやチリサッカー連盟、バイエルンに対して後ろ向きの発言をするのが本意ではない。
マリオに話を戻そう。
ミランが彼に対して戦力以外のことについてどのような評価を下したか正確にはわからないが、
あのペナルティ条項をきっちり明文化しそれを明らかにしたことを前向きに評価したい。
まるで子供にたいする約束事と書いたが、
しかし子供の時大きな心の傷を負ったのが、マリオ・バロッテリその人である。
ルーツがガーナにある彼の両親は、貧困を理由に3歳のマリオを里子に出してしまった。
後にバロッテリ家に養子としてむかられた。
実の両親とは長い間音信不通であったが、彼が最初にミランに所属していた2008年、
血縁を強調し、両親がメディアに出てきた時、マリオは激怒し、不信感に苛まれた。
マリオのような経歴は他にもたくさんあるだろうし、
それが理由で彼の問題行動が正当化されるわけではない。
しかしこの経歴が多くの問題点の出発点であることも間違いないだろうし、
そうであるならばこの問題が解決するなら、多くの他の選手にも恩恵があると考えられる。
それはサッカーという競技にとどまらないかもしれない。