10シーズンぶりのJ2暮らしを味わうこととなる大宮アルディージャ。
一年でのJ1復帰を掲げ、多くの選手の入れ替えに着手しているようだ。J1復帰への新戦力第一弾として発表されたのは、浦和のGKである加藤順大であった。
かねてより噂はあったので真新しさこそないものの、大宮の弱点であったGKの補強としては申し分のない選手であるといえるだろう。
西川が来る前は現山形の山岸に代わり正GKの座を勝ち取った同選手の最大の売りは、何よりもその身体能力の高さにある。
これだけで言えば、日本でもトップクラスと言っていい。その強肩には定評があり、ロングスローで下手なキックよりもボールを飛ばせるのは凄まじいの一言である。
また、ジャンプ能力も非常に高く、ハイボールにも強いというのは、日本人キーパーとしては稀有な能力を持っている。
そして、新加入した西川をも唸らせた足技の技術も素晴らしい。フィールドプレイヤーが怪我人で少なかったときや練習試合では、普通にフィールドプレイヤーとして出場できるほどのものを持っており、何度もコンバートの話が出ていた。
メンタルも最高である。プロとして契約して以降、山岸等の代表クラスの陰に隠れ、控え生活が続いていても愚痴一つこぼさず、チームを鼓舞し、常に前向きに練習にも取り組んでいた彼の姿は、まさにプロの鑑と言っても差し支えないだろう。
だが、その為に若手時代に試合経験を多く積むことができなかったのはマイナス点でもある。ポジショニングや試合の流れを読むなど、経験が必要なプレイに関してはまだまだという面がある。
しかし、これらは試合経験を積むことでいくらでも延ばすことが可能であることを考えれば、大宮は素晴らしいキーパーを獲得できたことになる。
一年でのJ1復帰の原動力となることが出来るだろうか?
出来得るならば、再来年には再びさいたまダービーで大宮のゴールマウスに立ちはだかる加藤の姿を見たいものである。