Foot ball Drunker〔149〕visiting『Hampden Park』グラスゴー/ スコットランド

EURO開催中に まさかの総選挙

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英国首相が議会下院を解散し7月4日の総選挙実施を発表したのが5月22日。なぜ今急に···フットボールの母国はUEFA欧州選手権=EURO2024開催中にフットボールよりも重要(?)な戦いの火蓋が国内で切られた。

大型減税の保守党と経済成長の労働党が民意に審判を委ねた英総選挙は野党勝利で政権交代。スコットランド国民党:Scottish National Party = SNPは前回(2019年)確保していた46議席を一桁まで落とした。物価、家賃、そして医療費の高騰する英国。今の暮らしが脅かされている状況だから独立どころではない。議席数を6から一気に56まで急増させ第三の党に名乗りを上げたのは2015年。十年前に逆戻りしただけと思えば驚く必要もない。

EUROはファイナルを残すのみ。フランスを下しスペインが決勝に。反対側の山頂に辿り着いたのはイングランド代表。キリアン·エムバペ:Kylian Mbappé【 December 1998年12月20日生】頼りのフットボールで魅力に乏しい今大会のフランスは、若手が躍動するスペインの勢いある波に飲み込まれた。個々のタレントは揃っていただけに、組織としての美しいハーモニーを奏でる事ができなかったのは惜しまれる。


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一方イングランドはやはりジュード·ベリンガム:Jude Bellingham【2003年6月29日生】に注目せざるを得ない。そしてあのエースストライカーは言うまでもない。

フランス、スペイン、オランダの各代表チームは、一昨年のUEFAネーションズリーグを取材していたのだが、移動に無理があり、ロンドンのパブでエールを飲みながらのTV観戦(それはそれで極楽ではあるのだが···)となったドイツ対イングランド。20歳の誕生日を同月にひかえたこの試合で既にキャップ数は14。翌日の紙面での扱いも破格。
敵地アリアンツアレナで痛み分け。試合終了間際のPKをあのハリー·ケイン:Harry Edward Kane【1993年7月28日生】が決めたからパブ内は大騒ぎ。隣のオヤジにキツくハグされたができれば女性が良かった。


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それではイングランド代表を取材したのはいつだったか?

カバー写真のマッチデープログラム。2017年6月11日ハムデンパーク。ワールド杯予選グル―プFはスコットランド代表とイングランド代表の対戦。
当日グラスゴーは朝から小雨模様。それでも昼には雨脚も止まり、スタジアムが開場する頃にはかなり強めの陽射し。機関銃を手にした夥しい人数の警官達。男女コンビの私服警官と二回声掛けられたのはこの風貌が怪しいからではない。それぐらい歴史的な因縁を引き摺るこのカードは荒れるのが当たり前。
ISテロ以降、欧州の空港や市内で機関銃を見るのも珍しくはないが警官が記念撮影に応じるこの光景は珍しい。