欧州のスタジアムデザイン 最先端を走る永世中立国のデュオ
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テムズ川沿いで見上げた煙突の高さは九十九メートル。約四百二十万個の煉瓦で覆われた重厚な建物はかつて発電所だった。美術館へと生まれ変わったのは2002年。設計者のヘルツォーク&ド·ムーロンをこのコラムで取り上げるのは初めてか。母国バーゼルのサンクト·ヤコブ·パークやフランスのヌ-ヴォ·スタッド·ド·ボルドー、そしてのFCバイエルン·ミュンヘンの本拠地 アリアンツ·アレ-ナと世界の名だたるフットボールスタジアムを手掛けてきたスイス人建築家ユニットである。
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2022年のUEFAネーションズリーグ取材巡業。フランスは地元サン=ドニ、スペインとオランダもアウェーでのスケジュールが組めた。とはいえ強豪国全てをフレ-ムに収めるのは移動時間が足りない。カ-ディフでのウェ-ルズ対オランダ戦の前日。ドイツ対イングランドはロンドンのパブでテレビ観戦となった。初めて飲む本場ロンドンのビーバータウン·ネックオイルのIPAを片手にミュンヘンから送られてくる映像をリラックスして眺める。敵地アリアンツ·アレ-ナでの痛み分けだから悪くはない結末。試合終了間際に同点のPKをハリー·ケイン:Harry Kane【1993年7月28日生】が決めたからパブ内は瞬間、蜂の巣をつついたような騒ぎ。打ち解けた隣のオヤジにキツくハグされた際にはできることならば女性が良かったと思ったのだが。
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英国内に点在するテ-トのコレクション。但し現時点でリヴァプールは改装中につき2027年までは休館中。そのテ-ト珠玉のコレクションが日本で公開されているのが乃木坂の国立新美術館。
『テート美術館 - YBA&BEYOND 世界を変えた90s 英国アート』が2月11日より幕を開けた。出品アーティストの一人、ジム·ランビー:Jim Lambie【1964年生】が来日。2003年のヴェネツィア・ビエンナーレではスコットランド館に作品が展示されており、現在も故郷グラスゴーで暮らすスコティッシュ。スコットランドはイギリスだから英国ア-トの括りは間違いではない。北アイルランドはイギリスでも、アイルランドはイギリスではないから現在もEU加盟国。しかしフットボール目線になると、すべて別の国。
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スコットランドの聖地にスリーライオンズがやってきた
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終了間際にケインが決めてドローで思い出された試合のマッチデープログラムがカバー写真。2017年6月11日。FIFAワールドカップ欧州予選グル―プFはスコットランド代表とイングランド代表の対戦とあっては興奮の坩堝と化すであろうハムデンパーク。当日グラスゴーは朝から小雨模様。それでも昼には雨雲は過ぎ去り、スタジアムが開場する頃にはかなり強めの陽射し。機関銃を手にした夥しい人数の警官達。男女の私服警官コンビにも二回声掛けられたのは筆者の風貌が怪しいだけではない。それぐらい歴史的な因縁を引き摺るこの対決は荒れるのが当たり前。ISテロ以降、欧州の空港や市内で機関銃を見るのも珍しくはないが警官が記念撮影に応じるこの光景は結構珍しいかも。
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