93〗Griffin Park / ロンドン


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異業種ともコラボできる魔法学園の図書委員たち

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魔法学園の図書委員であるOnce Upon a Timeのメンバ-は本の世界に入り込み様々な物語を紡ぎ出すアイドル。ここまで細かく設定を施せば、他のアイドルとの違いも明確。そして冒頭述べたとおり各メンバ-がかぶらない個性(オリジナル性)を主張している。多数の作家とのコラボレーションを企画した今回。出展者のアクセサリ-を身に付けてランウェイを歩いている。会場で販売していたアイテムで印象に残ったのが異界の霊力を感じる角。カチューシャに角がはえているものと、別々にピンで装着するタイプも。実際につけて会場内を歩く女子。Xでは角付きの四の写真も発見。不気味さに可愛らしさが混在する不思議な感覚。目立っているのは間違いない。
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ちなみに最後に見たラドクリフの映画は『ホーンズ 容疑者と告白の角』2013年の公開。成長したポッタ-には角が生えていた。

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優れたコピ-より 劣ってもオリジナルを選ぶ生き方

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最後の写真はネUEFAネーションズリーグのストラップにフラーズのESB、ブレントフォードのプレスチケットにデザインフェスタでいただいた株式会社 椿のネイル油を並べた。東京都大島町に拠点を置く同社のブランド名は『生の椿油 ジャポネイラ』。日本の固有種であるヤブツバキの種子から絞り出した油はもっとも酸化しにくい植物油。日本国内でしか採れない希少な原料からつくられた同社のオリジナル製品。正直ア-トでも特別なデザインでもないが、そこはなんでもありのデザインフェスタ。しかしそのポリシ-は、まさにこの五文字に集約されている。オ·リ·ジ·ナ·ル、つまり人の真似ではないもの、真似できないもの。大量生産できないもの。規定には二次創作や著作物の展示販売·コスプレを禁止している。創作コスプレなる日本語を波及させたのはこのイベントではないだろうか。それまでのコスプレは主に二次元のキャラクタ-を三次元で真似する行為だったのだから。
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実はこの連載、一話一話を切り離して読んでいただいても余り意味がない。間もなく百話を迎えるが二百話、三百話と続く。筆者か突然あの世に旅立ちさえしなければ。極東の島国の民が西はポルトガルから東はロシアまで実際に足を運んでみたら国境で仕切られた陸続きの国々の何とユニ-クで魅力的なことか。そしてその中の半分くらいはフットボ-ルが占めていた。日本との違い、欧州各国の違いを肌で感じ、時に腹を抱え時に涙を流しその体験を伝えたくてコラムを書き始めた。つまりはこの連載の全話を一括りにしてこそ、漸くひとつのオリジナル作品なのである。デサインフェスタも次回は六十三回目。前話で述べたとおりワ-クショップの充実など家族連れ、子ども達のための空間が増えるのは好ましく、この催しは百回、否、永久に続く気さえしている。出展する側も来場する側も皆気づいているのである。ひとつだけのナンバ-ワンよりも多くのオンリ-ワンにこそ価値があることを。〖第九十三話了〗
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