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自分達らしさを取り戻しての大逆転勝利でのタイトル獲得

その後、逆転された広島は後半になって存在感が薄れたFW佐藤に替わって、長身FW皆川を投入。パワープレーへ切り替えて同点を狙うも、前半のハイプレスの疲労の色も濃く、後半に入ってから全く効果的な攻撃を仕掛けられなかった広島。逆に、2失点に絡みながら気持ちを切り替えたDF岩下を中心に集中力は切らさず、終盤に出場したFWリンスが攻撃姿勢で追加点を狙う意識も見せながらの逃げ切りに成功。7年ぶり2度目のナビスコカップ優勝を果たし、MVPにはパトリックが選出されました。尚、試合前日表彰のニューヒーロー賞には宇佐美が選出。

「ウ○コもらしたような前半」からの大逆転劇~遠藤や阿部の創意工夫をもっと伝播せよ!

バイエルン・ミュンヘンのジョゼップ・グアルディオラ監督が昨季の欧州チャンピオンズリーグ準決勝第2レグ・レアル・マドリー戦で相手に合わせて通常のシステムや戦術を変えて0-4の惨敗に終えたあと、「ウ○コをもらしたようなゲーム」と言った言葉がそのまま当てはまりそうだった前半のガンバ。結果的に後半開始から中盤の構成を変えて自分達の持ち味である攻撃面を追求した結果が大逆転勝利でのタイトル獲得になりましたが、僕はそれだけではいけないと思います!!
ポイントになったのは2-0になった直後の追撃弾ですが、相手主将MF青山敏弘が試合後に語ったように、「ヤットさんがなぜあそこにいるの?」と思うほど自分の判断でポジションを取ってアシストに至った流れ。それ以外にも相手に徹底対策された中盤ダイヤモンドの陣形で苦労する中、遠藤は3トップ気味にポジションを取った阿部とバイタルエリアでのフリック(ワンタッチでボールを浮かしたりするプレー)を使って何とかフィニッシュに繋げようという創意工夫をずっと続けていました。
また、遠藤と阿部は逆転ゴールの場面でも2人でぺナルティエリアまで持ち運び、スペースを作る事を意識しながらのパスワークからシュートまで持ち込んで見事に大森のゴールを引き出しました。他にもこの2人でのパス交換や突破、フィニッシュが非常に多く、しかも効果的でした。

感覚派や肉体派の岩下・今野・宇佐美・パトリック辺りは遠藤や阿部のようなサッカー脳を鍛えられれば、さらに飛躍できるだろうな、と思いました。

では、最後に”最後の個人採点”をお楽しみ下さい☆

<選手個人採点>

先発出場
選手 採点 一言
GK東口順昭 5.5 リードされた時間帯での飛び出しで追加点を与えそうなミスもあるなど彼にとっては不安定の部類に入る試合。ただ、決勝点の直後に相手ゴール付近の歓喜の輪にまで駆け上がった点に最も感動。
DF米倉恒貴 5.5 山岸に対してかなり苦戦。柏にもかなり突破を許していたが、何とか持ちこたえて阿部のヘルプを最小限に耐えた。
DF丹羽大輝 6.5 岩下がPK献上と追加点のアシストで乱調の中、最後尾からチームを鼓舞しつつ冷静に対処。最終ラインからのビルドアップでも今では最も安定している。
DF岩下敬輔 5.5 ここ2カ月ほどはジェソクと丹羽に助けられ続けている。2失点に絡んだが、その後立ち直れるのは精神的な強さ。「監督は自分がミスしても使ってくれているので感謝してます」という言葉は15番さんにはない姿勢で好感。
DFオ・ジェソク 6.5 彼だけは全く抜かれず。それどころか宇佐美をも追い越す動きでチームを安定させた上で活性化させた。Jリーグ最強のサイドバックかもしれない。
MF明神智和(45分まで出場) 5.5 健太采配の犠牲者。ただし、特に悪いプレーしたわけでもなく、遠藤の最大の理解者として1点を返すに至った中盤の流動性を生む働きもあり。
MF阿部浩之(93分まで出場) 7.5 前半は3トップ気味の役割も担いながら”バイタルエリアの攻略者”となって多くのフィニッシュに絡む。後半はゴール前へ入って行く動きを見せ、同点ゴールでニアへ動いてパトリックのマークを剥がし、逆転ゴールへ繋がる強シュートで絡むなど大車輪の働き。筆者的にはMVP
MF今野泰幸 5.5 最後まで走り切ったが、攻守に直接的に絡む大きなプレーには繋がらず。岩下と共にもっとプレーを考える必要があるように思う。
MF遠藤保仁 7.0 結局は2-0となった直後の追撃弾が貴重だった試合。彼の動きと技術、思考を駆使したパトリックへの完璧なお膳立てが際立った。もちろん90分通したトータルゲームメイクも見事。昨季のJ2優勝も代表期間で欠場していたため、主将として初めてのトロフィーを掲げる姿は感動的でした☆
FW宇佐美貴史(84分まで出場) 6.0 同点ゴールの最上級クロスも絶品だったが、左サイドで大森とのコンビからオーバーラップでゴールライン際まで突破し、パトリックに折り返したチャンスメイクに進化を感じた。まあそれ以外は・・ジェソクと阿部に感謝しなきゃいけないと思いますが(笑)
FWパトリック 7.0 ガンバにとっては因縁の水本をチンチンにしたのは凄まじかったし、MVPなんですが・・・このフィジカルの違いは反則モノなので複雑。ここ数試合は封印されていたのでゴール後のパフォーマンスは狂気に満ちていたのも頷ける圧巻のプレーの連続でした☆