◆◆◆◆◆
FIFAが呼称やルールを整理し「フットサル」の歴史は1994年にスタートした。アルコルコンFSFも1995年発足と歴史は浅いが、市教育省と連携して小学生(年齢5歳)以上の競技人口を増やした結果2016年には、+150人以上、約2倍の女子選手が同クラブの指導を受けており、この数字はフィールドフットボールよりも、フットサル人口が多いといわれるスペイン国内でも突出した数字。
そもそもフットサルの試合を観たことがないので、この原稿を書くのを好機と思い、近所で開催されたFリーグ公式戦に足を運ぶ。
◆◆◆◆◆
フウガドールの試合なのだが、男子であることは当日会場で知ったほどフットサルに関しては無知。試合の感想を述べるならば膨大な文字量になるので絞って、魅力的なポイントをふたつ。まず選手の交代が自由なので目まぐるしい。これならばスタミナ配分を気にせずコートに入って全力のパフォーマンスが発揮できる。二つ目はは攻守の切り替わりが早く激しいため、プレーヤーには両面の技術が求められる。この二つは、11人制のフィールドサッカーとの比較であってフットサルの長所でもあり短所でもある。
◆◆◆◆◆
2017年にトップチームに昇格したパウラ選手も今月26歳の誕生日を迎えた大人の女性。背番号10は若年層の技術指導にも携わっている。
王立マドリードフットボル連盟の2021/22授賞式ではマドリード地域における最高のフットサルクラブとして認定されているアルコルコン。
男子はプレーオフ出場を逃したものの、女子はクイーンズカップで準決勝に進出した。そしてパウラ・ジョレンテ監督はジュニアチームを優勝に導き、優秀コーチとしても表彰された。フットサルは、時間内でボールにふれる機会が圧倒的に多く、子供たちが楽しむのにはお薦めかもしれない。
◆◆◆◆◆
最後の写真は、サント·ドミンゴの記者席。最近はピッチサイドでシャッターをきることに注力しているが、本来ここからの眺めが最高。今回フットサル観戦してあらためて思い出したのは、サッカーは局面でボールに触れているのは敵味方、ひとりかふたり。幼児のようにみんながボールに群がるわけではない。
フットサルとは異なるサッカーの最大の魅力はボールのないところでの動きと駆け引き。これはモニターの画面ではなく、スタジアムで体感していただくしかない。[第66話了]
◆◆◆◆◆
■写真/テキスト:横澤悦孝 ■モデル:有坂かずさ