Foot ball Drunker〔176〕visiting『Estádio dos Arcos』ヴィラ·ド·コンデ / ポルトガル

しかしリオ·アヴェELプレーオフの歴史には伝説の一戦と称しても過言ではない試合があるのをご存じだろうか。

2020-21シーズンはマンチェスターシティから食野 Ryotaro Meshinoが貸し出されEL予選三回戦のベシクタシュ戦に途中出場。PK戦でトルコの黒鷲を下し最後の関門は
何とACミラン。都市人口140万人のミラノに対しヴィラドコンテは冒頭の繰り返しになるが八万人。但し感染症拡大で無観客開催だから関係ない。訪問時にも驚いたのは北ポルトガルの昼と夜の気温差。10月とはいえ雨天強風にオレンジ色のマスクと防寒着姿がピッチサイドで並ぶ映像。


◆◆◆◆

ミラン一点リードで迎えた後半20分、リオ·アヴェはチコ·ジェラルディス:Chico Geraldes【1995年4月18日生】を投入。すると7分後左脚を振り抜き強烈なシュートをネットに突き刺した同点に追いつく。延長戦は互いに1点を奪い勝負の行方はPK戦へと持ち越される。ミランの先陣をきったイスマエル·べナセルが成功。リオ·アヴェもジェラルディスもゴールキーパーが飛んだ逆方向に右足で決めて追いつく。結局計24人のキッカーを要した長いPK戦。ロッソネロが凱歌を揚げるのだがリオアヴェは三度の勝機を逃したことになる。特に二度目となる11人目ジェラルディスが先程とは逆に飛んだキーパーを確認して反対方向に力強く蹴ったボールは左ポストを直撃して失敗に。ちなみにPKは二回とも右足で蹴っているが利き足は左右両方。この試合では11番を背負っていたが、スポルティングCPから期限付移籍の2017-18シーズンは写真の12番。リスボン出身スポルティングユースで磨かれU18から世代別のポルトガル代表に選ばれてきた。
前述のリカルド·オルタ、そしてブルーノ·フェルナンデスと挑んだ2017年のUEFA-U21欧州選手権予選ではハンガリー戦で2アシストを記録している。
翌年の本大会は主将のフェルナンデスが10番、出番はなかったもののジェラルディスは8番のユニフォームが渡されていた。シーズン開幕戦の食野のゴールをアシストしたのもジェラルディス。現在はスペイン二部のエルデンセでプレー。


◆◆◆◆

90年代日本テレビ制作の人気番組「進め!電波少年」の目玉企画となったアポなしと進ぬ!電波少年へと引き継がれるヒッチハイク。アポ無しでもリオ·アヴェの広報から撮影の許可が下り、無事スタジアム内でビブスと許可証を受け取る。更に伝統のホワイトジャージのレプリカをいただいてしまったから感謝感激。後にも先にも取材に行ってお土産の品を受け取ったことなどこのリオアヴェ以外にはない。この瞬間から、それまでポルトガルで一番好きなチームはスポルティングからリオ·アヴェに変わったのは言うまでもない。
物やお金をくれる人が必ずしも良い人ではないが、感謝や持て成しの心込めて贈るのは万国共通。但し男性から女性の場合は心に下がついてしまうのも万国共通でこれも仕方のないところ。
ポルトガルではヒッチハイクもどきの経験もしているが、次回の
機会に。


◆◆◆◆

最後の写真はレプリカとスパルタクモスクワのブラガ戦マッチデープログラム。ブラガでの試合詳細が見開きで記されているがロシア語は読めない。帰国してからもリオ·アヴェの試合を注目していると最終戦のブラガに1-0勝利し5位でフィニッシュ。得点に繋がるラストパスを配給したのはジェラルディス。2018-19のEL予選二回戦でポーランドのヤギエロニア·ビャウィストクと対戦。ノヴァイスとジェラルディスが去ったチームは敗北し大会から姿を消した。

昨日(10月5日)のファマリカン戦もホームで1-1のドロー。2勝4敗2分。しかし四敗のうち三敗の相手はスポルティング、ポルト、そしてブラガ。追い風を受け帆がいっぱいに膨らむ様子から、物事が順調に進むことを表す順風満帆。しかし帆船は帆を斜めに張ったり、複数の帆の角度を変える工夫をすることにより、向かい風でも前に進ぬ、もとい進む。次節アウェーで対戦するのは最後の四強一角のベンフィカ。暴風を前にリオキャラベラの運命はいかに。[第176話了]