前回、前々回と各ポジションの選手に焦点を当て、記事にさせていただいたが、最後に攻撃的なポジションの選手を取り上げてリオ世代を総括していきたい。
2列目 ~新生をどう使うか?~
正直、この世代の2列目は層も薄く、タレントも豊富に揃っていなかった。ただ、この1年で多くの選手が成長を遂げた。以前まではザルツブルクの南野拓実とFC東京の中島翔哉を中心に考えられていたが、ここにきて、多くの逸材が台頭してきた。
例えば、鳥栖の鎌田は正確なパスから自らも点を取れる選手として今年ブレイクをし、浦和の関根はサイドのスペシャリストとして浦和の右サイドになくてはならない存在に成長した。もしも3バックシステムで臨む場合のWBのファーストチョイスは間違いなく関根だろう。
更には広島の野津田もドウグラスと柴崎晃誠にレギュラーの座は譲ってはいるものの途中出場で試合に出る機会も多く、着実に力はつけている。浦和の矢島はレンタル先の岡山では不動のレギュラーとして1年間通して活躍した。もちろんこの世代の中心は南野で間違いないだろう。ただそれ以外の選手には皆レギュラーのチャンスが十分にある。手倉森監督から絶大な信頼を受けていた中島は今シーズンレンタル先でも大きな成果は得られなかった。
このようにこの1年で新たな選手の台頭や成長が見られたが、jリーグで不動のレギュラーとして活躍していた清武と東、海外組の大津と宇佐美といったロンドン世代と比べると少しだけレベルが落ちるかもしれない。
しかし、五輪に向けた最後のこの1年で先に挙げた選手たちが更なる飛躍を遂げ、jリーグで中心選手として活躍する可能性は十分にあるだろう。彼らの今年以上の成長を期待しよう。
FW ~三つ巴を制する者は~
手倉森監督が就任して以来FWのポジションは基本1トップで戦ってきた。この一つの席をヤングボーイズの久保、広島の浅野、水戸の鈴木武蔵という3人のストライカーが争うことになるだろう。
海外でもコンスタントに得点を奪っていて、欠点らしい欠点が見当たらないオールラウンダーの久保。他を寄せ付けない抜群のスピードで広島でも活躍し、A代表にも招集されたスピードスター浅野。日本人離れした身体能力が持ち味で長くこの世代のFWを引っ張り続けた鈴木。