しかもチームには中途半端に5秒ルールの名残があり、ブスケツはしばしばアンカーのポジションから離れて相手を追いかけまわしてしまう。それでは中央に穴が生まれ、バイタルエリアにパスを通されてしまう。逆にメッシやネイマールなどは相手を追いかけない。
プレスで守るのか、引いて守るのか。グアルディオラが退いて以降のバルサは常にどっちつかずの守備をしてしまっている。 その戦い方でも中堅チームや下位チームには勝てるが、レアルのような強豪相手には守り切れない。今日の敗北は3年前から続く過ちを解消できていない事によるものなのだ。
ポゼッションの確保までは成功したが、5秒ルールは植え付けられなかった。エンリケとグアルディオラには大きな違いがあるという事だ。
☆エンリケのミスが重なった
そして最大のミスは、エンリケに何1つ代案が無かった事だ。少なくとも前半終了時にマルセロ×ロナウドのコンビを止めるために策を打つべきだった。後半開始時にメンバーを代えなかったのは驚きでしかない。
後半も攻めに上がったアウベスの後方を幾度となくカウンターで突かれており、5失点はしてもおかしくないほどに決定的チャンスを作られている。後半3分にペペにゴールを許し、攻撃的に行くしかなかったのは分かる。
しかし、攻撃的になるサイドが逆である。
アウベスが守るサイドにはカウンターを得意とするロナウドが位置しているので、アウベスには守備的なプレーを求めるべきだった。攻めるならばハメスのいる右サイドからの方が妥当だ。
しかし、この日エンリケは左SBに守備的なマチューを入れている。ネイマールが守備に戻らないので、そのぶんSBに守備的なマチューを入れる判断は間違っていない。
しかし、リードを許してからはマチューをアルバに代えるべきだったと感じる。しかも、ネイマールが守備に戻らない事を考えていたのなら、なぜ右にスアレスを配置したのかも疑問が残る。守備を求めるならペドロをスタートで起用した方が良かっただろう。
スタート時にフワッと試合に入り先制を許したレアル、選手選考に方向性が無かったバルサ。
どちらにもミスがあったクラシコは、どこか迫力に欠けるところがあった。そしてバルサのミスの方が大きかった。差がついたのはその部分だけだろう。
次回のクラシコは今のところ3月22日。ここではミスではなく、力の差で明暗を分けていただきたい。