点差以上の力の差を見せ付けた試合だった。前節、ランパードの劇的な同点弾で連勝を止められたものの、その力は本物だったと思わせる戦いぶりだった。ヴィラも好機を作ることは出来ていた。
しかし、最後の部分を推し進めさせることなく叩き潰す力強さがあった。前半は、早々に先制して試合を冷徹にコントロールするチームの姿があった。後半に入っても緩急に加えて左右の揺さぶりも含めた錐のような攻めは凄みを増すばかり。最終的に3−0で終わったものの、それ以上の力量差があった。
久々のクリーンシート、かつ選手にも無理を強いることなく試合を終わらせることが出来たのは、チェルシーにとって非常に大きいものである。水曜にはリスボンでスポルティング・リスボンとの試合を控えているだけに、守備陣の調子が上がってきているのは非常に大きい。何よりも、ディエゴ・コスタが好調を維持し続けており、それに引きずられるように攻撃陣も好調だ。それを後方から手綱を引くセスク・ファブレガスも好調と、攻撃面での不安はなかっただけに、今回のクリーンシートでの勝利は何よりの薬となりそうだ。
スポルティング・リスボンとの試合の後はすぐさまロンドンでアーセナルとのビッグロンドンダービーを控えている。スポルティング・リスボン戦も含めて気を抜けない試合が続くが、ここで躓くようではビッグイヤー奪還もリーグ優勝も狙うことは出来ないだろう。
しかし、ディエゴ・コスタがここまでチームに容易に溶け込むとは想定していなかった。特に怪我を抱えながら望んだブラジルワールドカップではスペイン代表で全く精彩を欠いていただけに、ここまで変わるものか、と驚いている。
モウリーニョ監督の考えていたベストなチームのピースにしっかり嵌る駒というものはこういうものか。速さだけでなく、駆け引きも加えてマークを完全に外すその力は、ロンドンで完全に開花したようだ。
今シーズン、どこまでその力を見せてくれるのか、楽しみである。