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ゲーゲン・プレッシングの使い手同士の初対決はシュミットに軍配 ブンデスリーガ・第一節 ボルシア・ドルトムント対バイヤー・レーバークーゼン

 先週22日にバイエルン・ミュンヘン対VfLヴォルフスブルグの試合を皮切りに開幕したドイツ・ブンデスリーガ。
その中でも一番の注目試合となったのは、23日の夕刻に行われた、ドルトムントとレーバークーゼンの一線ではなかただろうか?

 オーストリア・ブンデスリーガとオーストリア・カップの二冠を達成し、リーガで110得点を記録した、オーストリア最強のチーム、レッドブル・ザルツブルグを作り上げた男、ロジャー・シュミットが新監督となったレーバークーゼン。彼が率いるチームには一つの特徴がある。『ゲーゲン・プレッシング』を仕掛け、高い位置からのショート・カウンターを狙う戦術を用いるのである。そう、彼もまた、ドルトムントのクロップと同じ、『ゲーゲン・プレッシング』を得意とする監督なのである。

 試合はどちらも4-4-2の布陣であったが、戦術的な意図は両者で異なっていた。ドルトムントは怪我人も多いこともあり、ケールを1ボランチとしてダイヤモンド型に左にミキタリアン、右にヨイッチ、トップ下にロイスを配置し、トップ二枚にインモービレとオウバメヤンを配した。これはシュミットの用いる戦術が両サイドバックを高い位置に置く超攻撃的なものであることを見越し、その裏を狙う意味があったと思われる。
 対するレーバークーゼンはロルフェスとゴンサロ・カストロをセントラルMFとして配置、ソンとベララビで左右の両翼を形成、チャルハノールとキースリングの2トップという構成であったが、この四人はボールを奪われたならば、最終ラインでのボール回しですら全力でプレスをかけに行き、流動的に前線で動いていた。
ある意味、鏡に映った自分との戦いとも言えるこの試合だが、先制したのはレーバークーゼンだった。キックオフからわずか9秒、ボールタッチはわずかに4回。キックオフ時にセンターバックを除くフィールドプレーヤー全員がセンターラインに並ぶその姿はゼーマン・サッカーを連想させたが、それにクロップのゲーゲン・プレッシングが化学反応を起こしたサッカーの片鱗だったと言えるのではないか?
 それにより動揺をしたのか、前半はレーバークーゼンが完全にペースを掴んだ試合を展開した。
 しかし、最終ラインのギンターとソクラティスの奮闘もあり、追加点は許さずに前半を終了した。ハーフタイムにクロップの修正が効いたのか、後半はドルトムントが牙を剥いた。前半とは逆にレーバークーゼン陣内での時間帯が多くなるも、レーバークーゼンの最終ラインのトプラク、スパヒッチ、そし右サイドのイェドバイが体を張っての守備で得点を許さない。将にミラーゲームという感じの攻防であったが、アディショナルタイムにドゥルムの軽率なプレイから得点を許し、開幕戦を0-2で落とすこととなった。

 ドルトムントは、レヴァンドフスキ依存からの脱却が今シーズンの課題となるが、現時点ではスムーズに行っていないように感じた。また、インモービレもまだブンデスリーガのサッカーに慣れておらず、その真価が発揮されるのはまだ先になりそうだ。得点さえしてしまえば、逆に乗れそうな気がするのだが……

 レーバークーゼンはコペンハーゲンでの失態で逆にチームが締まったのか、非常に集中した試合運びで勝利を掴んだといえるのではないだろうか?もしそれを狙ってやったとしたら、シュミットは相当に強かで戦術家であるといえる。問題は、やはり相当に体力を消費する戦術であるだけに、ローテーションを回すことは出来るのかではないだろうか?この点についてはドルトムントも相当苦労しており、レーバークーゼンのチームの真価も問われるといえる。
 
 開幕戦から非常にハイレベルな試合を展開した両者だけに、今後の展開が非常に楽しみになる好ゲームであった。