三十七歳で国際試合のピッチに立つ邦人
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来月の欧州取材日程を組む至福の時間。二月二十日木曜日はUEFAヨーロッパリーグ=ELかカンファレンスリーグ=ECLの何れかになるのは間違いないのだがELは月末にならなければ抽選会が行われない。それに対してECLは先月20日に抽選が済み対戦カ-ド計16試合が確定している。悩んだ末にスロベニアの首都リュブリャナを選んだ。理由は週末のリ-グ戦でクロアチアを訪問するのに効率が良いから。
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そのNKリュブリャナが11月のグル-プステ-ジでは敵地でHJKヘルシンキに0-2のスコアで勝利。この試合六分間の途中出場ながら田中亜土夢
Atom Tanaka【1987年10月4日生】が途中出場。12月のモルデ戦でも18分間プレ-している37歳の田中は、UEFAコンペティションにおける日本人年長出場記録の第二位に。第一位は言うまでもなくフランクフルト時代の長谷部誠:Makotto Hasebe【1984年1月18日生】で、’23年のECLアバディーンFC戦は39歳での出場だった。実はこの二ヶ月前同グループのHJKヘルシンキとの対戦、長谷部と田中は共に後半から出場しピッチ上で顔を合わせているのだから興味深い。従って現役日本人プレーヤーでの最年長とすれば田中が記録保持者となる。
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第四話はフィンランドの首都ヘルシンキに在るボルト·アレーナ。完成当時は航空会社の企業名を冠していた。あの日あの時は■2015年5月21日ヴェイッカウスリーガ第九節 HJKヘルシンキ対FCインテル·トゥルク
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首位のSJKを追う二位HJKヘルシンキは、この日五位のトゥルクと対戦。田中を軸に三人の中盤がテンポ良くボールを繋ぐが、最終ラインに5人を配するゴール前の壁に阻まれスコアレスで後半へ。後半はマイク·ハ-フナ-:Mike Havenaar【1987年5月20日生】の二得点で快勝。
惜別のフィナーレよりもハーフハイムの秘密兵器
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試合後サポーターに挨拶する31番の姿が印象に残った。夏のメルカートでギリシャのパナイシナイコスへの移籍が決定したロビン·ロド:Robin Lod【1993年4月17日生】彼はヘルシンキに生まれ、育成部門出身の生え抜き。住み慣れた家から巣立つ息子とファン·サポーター達が激励の歓声と拍手を贈りチームメートとの抱擁が交わされる感動のフィナーレ。
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しかしそれ以上にこの訪問で記憶に残るのはハ-フタイム。オレンジ色のジャケットにサングラスの美女達が登場すると手にしているのは謎の兵器。なるほど、客席に向けてプレゼントを発射している。圧縮空気で放つ構造はドラえもんも驚くアイテム。スタンド上段にまで行き渡る。
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