最後は追加タイムになって全員が前掛かりになるユヴェントスに対してロングボールを跳ね返したバルサがカウンターからネイマールが3点目を決めて3冠達成を確実にする得点が生まれた所でタイムアップのホイッスル。バルサは史上初の2度目の主要タイトル3冠達成となりました。
それにしても、両者が持ち味を出し切り、「やるべき事は全てやった」と言えるハイレベルの好ゲームでした。
やっぱり決めた「主役」スアレス 公式戦122得点の「MSN」を牽引
やっぱり彼だった。CL決勝も、リーグ後半戦山場のクラシコも、コパ・デルレイ決勝も、決勝点はいつも彼だった。ブラジルW杯・イタリア戦での「噛みつき」行為による出場停止処分により、リヴァプールから8100万ユーロ(約111億円)という超高額な移籍金で今季からバルサに加入しながら、第8節までは出場停止だったスアレス。デビュー戦が敵地のサンティアゴ・ベルナベウでの「クラシコ」レアル・マドリー戦だった事も「持ってる」感があったものの、シーズン中盤戦まではメッシとネイマールのアシスト役に回って脇役を演じていました。しかし、チームプレーを優先した中でバルサにフィットすると、タイトルマッチ級のビッグマッチでは「いつものように」得点、それも決勝点を決めたのは彼でした。
この日の自身の決勝点とネイマールの追加点により、「MSN」の3人は公式戦通算122得点を記録した事になりましたが、昨季のメッシは負傷を繰り返し上で不振に陥り、移籍1年目だったネイマールも先発落ちを何度も食らうなどバルサで自身の居場所を見つける事が出来ていませんでした。
その中でメッシが真ん中から右サイドへ回帰した上で、スアレスが最前線で彼等2人のマークと負担を軽滅した影響は好循環に作用。スアレスの守備意識の高さも彼等2人を刺激した事でしょう。
思えば、この日は負傷欠場したものの、ブラジルW杯で「噛みつき」行為をした相手はイタリア代表でユヴェントスのDFキエッリーニ。そして、3年半前にはプレミアリーグでの試合中の人種差別発言により8試合の出場停止処分を受けていたのですが、今季からリヴァプールから移籍した「加害者」のスアレスと同じく、「犠牲者」のパトリス・エヴラも今季マンチェスター・ユナイテッドからユヴェントスへ移籍。この日は共に先発出場しました。
3回噛みついても、人種差別発言しても、南アフリカW杯準々決勝のガーナ戦では延長後半の終了間際に自陣ゴール前で相手のシュートが決まる時にあからさまなハンドでウルグアイの敗退を「止めた」事があっても、やっぱりスアレスは憎めない選手です。
そして、やっぱりスアレスは「主役」が似合うキャラクターです。