この試合を語る前に最近のバルセロナのサッカーについて語らせて頂きますと、現在のバルセロナのサッカーは、中盤の底から一旦サイドに叩いて、そこからゴール前へと進出して来る。といったことをあまり行っておらず、パスワークで中央を崩すことが多くなっております。
これにはネイマールの存在が大きいのも事実ですが、2014年ブラジルW杯でスペイン代表が行ったサッカーを観れば一目瞭然です。
現在のスペイン代表であったり、バルセロナは、中盤の底ではボールを回すのですが、バイタルエリアでは一旦ゴール前の選手に叩くことが多くなっていて、そこからのパス交換やポストプレイなどで相手ゴールを脅かします。
これは現在のスペイン代表のFWにしても、バルセロナのスアレスにしても、何処か似ている。といったことも関係しているのかもしれませんが。
そして、こと点を取るときには、ゴール前でボールを持った選手の周りに、まるで雪崩れ込むように、幾人かの選手が進出して来る。そういったサッカーにシフトしています。
それが2014ブラジルW杯での大敗の要因でもあるわけですが、今回のアヤックスはオランダのチームで、オランダのサッカーはとても綺麗なことで有名です。
この綺麗さは、こと攻撃にかぎっては威力を発揮しますが、守備では口論の的となっています。
あまりガツガツとした守備は格好が悪いのだそうですが、あくまで綺麗さを重視する。ということのようですので、こういったことも、バルセロナの攻撃陣がはまった理由の一つでしょう。
勿論、世界屈指のアタッカーばかりを揃えている。といったことが一番の理由ですが。
さて、試合ですが、決定付けたのは、バルセロナの選手の身体の使いかたの巧さと変幻自在さに対応出来なかったアヤックス。といった図式がなりたとうかと思われます。
アヤックスの選手が、たとえ身体を当てて並走しても、バルセロナの選手は身体を預けているだけなので、支えが出来ているのと同じことなのです。
なので、元々ボール扱いに長けたバルセロナの攻撃陣にとっては、かえってプレイしやすいこともあるのです。
加えて、誰もが点を取れるチームですから、アヤックスはその選手のケアを必ず行わなければならないのです。
こういった、注目されないことの中に、試合の醍醐味があることもあり、えてしてそれが試合を決定付けることもあるのです。