「異様に凄い選手がいる」
そんな評判はサッカー界でよく耳にする。「5人抜きドリブル」や「スーパーミドル」も良いが、そういう一過性のモノではなく毎試合のように見れるプレーが大事だと思う。決して結果が残せなくても、毎試合のようにトライし続ける姿勢は変えないのが大事だ。
今季の『プレナス・チャレンジリーグEAST』(3部相当)で2位の選手に17本の差をつけ、全15試合の出場で71本ものシュートを放った選手がいる。昨季まで40本前後だったシュート数が30本も増えている。1試合平均5本で過去2年から約2本も伸びているのだ。
1試合で5本ものシュートを放てるチカラは、得点を量産するポテンシャルを大いに備えている証明だ。シュート数では女子日本代表のエースFW横山久美と同じ水準にあるノルディーア北海道のFW星山彩香は、北海道大谷室蘭高等学校3年生時の『全日本高等学校女子サッカー選手権大会』で1試合7得点を記録するなど通算8得点で得点王を獲得。その直後に代表候補合宿に呼ばれた“トンデモ”な選手だ。
しかし、今季のチームはEAST5位で終わり、『プレーオフ順位決定戦』は【9~12位シリーズ】に回って11位フィニッシュ。現在は『チャレンジリーグ入替戦』を戦う苦境にあるが、そのプレーオフでも3試合で14本のシュートを放っている。
ノルディーアの残留が懸かる『チャレンジリーグ入替戦』第1節のセレッソ大阪堺ガールズ戦の終了直後、そんな星山選手にお話しを伺いました。(試合のレポートは下記を参照下さい。)
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目標は結果を残す人=横山久美!
―――今日の試合は1―1のドローという結果でした。星山選手は同点弾もアシストしました。ただ、前を向いてプレーする機会は少なかったと思いますが、1試合を通してどのような事を考えてプレーされていましたか?
「かなり攻め込まれていたので、数本しか前に行くことが出来ませんでした。相手DFを背負う状態の方が多かったんですが、自分の中では相手を背負ってる中でターンをしてドリブルで出て行くことを考えていました。でも、相手が手強くて、なかなか前を向く事が出来なかったですね。」
―――今日の対戦相手であるC大阪堺ガールズのスカウティング映像などは観られてるんでしょうか?恐らく出ている選手が大きく入れ替わっているような状態だったと思います。
「観ました。確かに映像とは出ている選手がかなり違っていたのですが、ピッチでは選手個々がしっかり相手を見れていたので、上手く対応は出来ていたとは思います。」
―――今季からシュート数が激増しています。過去2年間はチャレンジリーグEASTの15試合で40本前後ながら、今季は71本という記録が残っています。著しい心境の変化があったのですか?(上記表参照)
「やっぱり、『シュートは打たないと入らない!』、そう思っていたんですが、今は『シュートは打つだけでは入らない』という自分の中の壁があって、それ自体は去年から感じている中で今季に入ってました。でもなかなか・・・。得点王を目指しているので、今年はまず残留して、来年こそは!と思っています。」
―――チームとしては昨季が最終順位5位、今季が11位という結果。それでも個人として劇的にシュートが増えた現在の課題はどう捉えていますか?
「やっぱり得点という結果が足りないので。決定力を上げたいです。」
―――シュート数ではなでしこジャパンのエースFW横山久美選手に負けない数字は残しています。やっぱり横山選手が目標になるんですか?
「それは凄く思います!やっぱり、あの人は凄い決定力もありますし、結果を残す人なので、本当に凄いな!と、いつも思う選手であって、目標になる選手ですね!」
なでしこリーグ入りを断っての短大入り
~河合監督とムサタンのパスサッカーに魅せられて