32ヵ国首脳がワシントンに集結 注目のNATOサミット
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32カ国に増えた北大西洋条約機構加盟国によるワシントンD.C.サミットが迫ってきた。年明けにトルコ議会がスウェーデンのNATO加盟を承認したから、翌月唯一の反対派になってしまった小国ハンガリー議会も右に並ぶしかない。
混乱しそうになるのは、トルコはNATO加盟国ではあっても、欧州連合(EU)の一員ではないし、当然ユーロ圏=通過同盟外なので
トルコリラを用いている。
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1999年にEU加盟候補国として承認されたものの長く凍結状態。国民の九割以上をイスラム教徒が占める同国でレジェップ·タイイップ·エルドアン:Recep Tayyip Erdoğan【1954年2月26日生】大統領がオスマン主義イスラム化に舵を切るのだから警戒されても仕方ない。
昨秋にはEUから司法制度、テロ対策、人権侵害について非難されると「偏見=余計なお世話」と聞く耳を持たないエルドアン大統領。
そもそも宗教や政策以前にトルコの人口は約8,300万人。これは加盟国二位のフランスを大きく引き離し一位ドイツと変わらない。そんな大国を組み入れたらパワーバランスが崩れるおそれがある。
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筆者の氏名が記されたのはアテネからイスタンブールへの航空券。陸路でも1000キロ程度だから東京~福岡ぐらいか。ところが
シリア国境に近いシェムディンリまでは1700キロ以上。面積は日本の二倍以上もあるからトルコな広い。外交関係樹立100周年を迎えた本年、アタテュルク廟では日本政府外務大臣が献花を行い、建国の父への敬意を示した。
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NATO加盟国と同じく32の国家代表で争われたUEFA欧州選手権もベスト8。オーストリアとの伏兵対決を制し名を連ねたのはトルコ代表。本選参加32ヵ国中最も広大な国土を有する。ちなみに二位はその国土を脅かされているウクライナ。
新設されたUEFAネーションズリーグで、トルコ代表がでスウェーデンに1-0で敗れ、リーグCへ転落したのは2018年。この試合結果を恨んでNATO加盟に反対したわけではない。
第2回大会はリーグ編成が変わり再びリーグB参戦するもハンガリー、ロシア、セルビアの後塵を拝し降格。今年9月5日に開幕する同大会で三シーズンぶりにリーグBへと戻ってきた。
一方リーグAへからBに降格したのはオーストリア。格はやや上だけにトルコの勝ち上がりは、番狂わせと言えなくもない。
さて、次はオランイェとの対戦。注目の選手を二人。ディフェンダーはフェネルバフチェからの貸し出しでギリシャのパナシナイコスでプレーしていたサメト·アカイドゥン:Samet Akaydin【1994年3月13日生】。