上位直接対決となった第25節、ユベントスを迎えたオリンピコはローマサポーターから長い間遠ざかっているスクデッドの獲得に向けて、多くのファンが
集った。
試合開始前の時点で勝点差9の両チーム。
この試合を消化すれば残り13試合、だからこの試合だけですべてが決まるわけではないが、ホームでの直接対決、ここでローマが勝点3を奪えば差が6になり逆転優勝の可能性が出る一方、負ければその差が12となり、かなり絶望的だ。
しかしどちらのチームもなかなか得点チャンスが生まれなかった。
負傷欠場でピルロがいないユベントスは作戦として守備的に入ってきたことは、それほど意外なことではない。アウエーであり、攻めに行って勝点差が縮まってしまうリスクを負うよりは、スコアレスドローでもまずまずと考える。
だからローマは引いたユベントスに対して、有効な攻撃ができない。特に中央はガッチリと守られ、どうしてもサイドに展開してしまうが、中央にほうり込んでもただ弾かれるだけだ。
ローマはそれでもトッティがかなり低い位置まで下がり、ボールを前に運ぼうとするが、攻撃の核ジルビーニョが孤立してしまい有効な攻め手が見つからない。
しかも63分にトロシディスがイエロー2枚目で退場、そしてそのファウルで得たFKをテベスに壁の上を弧を描くような大きく変化すシュートを見事に左ゴール隅に決められてしまった。
すると決心したガルシア監督はトッティ、デ・ロッシをたて続けに変え、スピード重視の戦術に。
ローマが10人になったことで、多少ユベントスの守備の整理ができなうちにケイタのシュートがマルキージオに当たりゴール。ただしゴール記録はケイタとなった。
しかしローマもこれが限界、結局勝点差は動かなかった。
退場者が出たことで試合に動きが出たが、それまでは首位攻防にふさわしいような迫力のあるプレーがなく観客席からは苛立ちの声が聞こえた。