24〗Albert Park Stadion / オーステンデ


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仕方なく翌週の帰国時には機内液晶モニターで鑑賞することに。この作品をちっぽけな画面で見るのはベルジャンホワイトをグラスに注がずボトルでラッバ飲みするようなものだが、それでも美味い。前評判を知らない自分にとっての初見時は科学的な根拠はどうでもよく、如何に父と娘が感動的な再会を果たすのか・・・そこへ辿り着くまでに一般相対性理論やら五次元空間を絡ませているので、疑問などはすっ飛ばして楽しめ、泣けた。
主人公クーパーが宇宙に飛び立つ前の序盤が想像力を搔き立てられ面白い。文明(科学)の発展を放棄した時代になると人々の娯楽は競技レベルが低下しようとも結局スポーツ観戦になる。この作品は舞台が米国なので野球。またインド空軍のドローンが登場するのだが、昨年の米軍事力評価機関グローバル·ファイヤー·パワーの評価では米露中に次ぐ軍事力世界四位の核保有国がこれだけのダメージを与えた設定だろうか。この作品の見せ場のひとつ、ミラ-の星の大津波のシ-ンは怖すぎて笑える。パノラミックな景観や非日常的な開放感を楽しむレジャ-空間であっても離岸流など水難の危険性は常に伴う。しかしこの高さはヤバイ。そしてTARSの万能ぶりに拍手。
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昨年五月オーステンデ破産申請を提出しプロクラブとしてのオーステンデは歴史の幕を閉じた。イタリアのパルマやフィオレンティーナもかつて財政破綻した教訓を経て、米国の投資家の金融改革によって現在に至る。培われた長い歴史と定着する熱狂的なファン·サポーターこそ掛け替えのない財産だった。しかしオーステンデの街には五年前に消滅したロケレン同様、プロフェッショナル·フットボール·クラブが育つ土壌がない。最後の写真はオーステンデのスタジアムで十年前に撮影した少女。地元フットボールクラブが無くなったこの街で今も暮らしているのだろうか。
『インターステラー』は父と娘の絆、が人類滅亡の未来を回避する愛と信頼のヒュ-マンスト-リ-。小学生年代のマーフィを演じたのはマッケンジー·フォイ:Mackenzie Foy【2000年11月10日生】。クランクインした’13年8月には十二歳。この作品で演技が高く評価された彼女は筆者の息子と同年齢。
さて、二か月後に公開されるブラピ最新作『F1/エフワン』の前売り券の発売が開始された。この作品の話題の隙間から三度目の結婚のニュースも。還暦過ぎても恋する気持ちはわからなくはないが、二十九歳年下の女性に求婚できるブラピはやはり凄い。〖第二十四話了〗
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⏹️写真/テキスト:横澤悦孝  ⏹️モデル:Nao