Foot ball Drunker 〔120〕visiting 『Spartak Stadium』モスクワ / ロシア

2016年の初招集以来重ねたキャップ数は45。前回2021年のUEFA欧州選手三試合にフル出場。ワールド杯予選クロアチア戦では主将を任されている。


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ジキヤと並んで守護神アレクサンドル·マクシメンコ:Aleksandr Maksimenko:【1998年3月19日生】の姿。この写真を撮影したのは2019年9月29日。同月のUEFA U-21欧州選手権予選では9日のセルビア戦こそ控えながら10日のブルガリア戦はスタメン·フル出場、
クリーンシートで終えている。

巻き返しを図る冬の移籍市場でコスタリカ代表のマンフレド·ウガルデ:Manfred Ugalde【2002年5月25日生】をFCトゥウェンテ·エンスヘデから獲得。ボスニア·ヘルツェゴビナ人Vladimir Sliskovic暫定監督の初陣は4月17日のロシア杯準々決勝2ndレグのゼニト戦。4日の1stレグでロシア初ゴールを決めたウガルデの才能に疑う余地はない。
2026年北中米開催のFIFAワールド杯は開催3カ国の他に3+プレーオフ枠2。2014年ブラジル大会のベスト4以降ロシア、カタールと連続出場を果たす北中米の強豪。サムライブルーに黒星をつけたコスタリカ代表の本選出場の可能性は極めて高い。
オランダからロシアの難しい環境に身を置いた事を懸念せずにはいられないが、エース·ストライカーとして世界最高峰の舞台での活躍が期待される逸材。


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EU未加盟のセルビアのフラッグキャリアは、現在もシェレメチェヴォ空港とベオグラード間の路線を就航中。セルビア代表がモスクワへの地に降り立ったのは先月。21日の国際親善試合はロシア代表がUEFA欧州選手権本選に出場するセルビア代表を4-0で一蹴にした。この試合に招集され背番号1のユニフォームを渡されたマクシメンコはベンチ。もう一人スパルタクから招集されたのが25番セントラルミッドフィルダーのダニル·プルツェフ:Danil Prutsev【2000年3月25日生】。スパルタクでも25番、2021年まで所属したクリリヤ·ソヴェトフでも25番を背負っていた。写真はセルビア戦が行われたVTBアレーナで約二年前に撮影。競り合う相手はアーセナルやマンチェスター·ユナイテッド、ミラノの二強も興味を示すと報じられたポーランド代表のセバスティアン·シマンスキ:Sebastian Szymański【1999年5月10日生】。
プルツェフ、マクシメンコの二人が国際試合に出場で見ることができないとは何とも遣る瀬ない。


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1942年スタロスティンは、《スターリン暗殺計画》という耳を疑う濡れ衣で逮捕されている。その後「ソ連のスポーツに資本主義社会の慣習を持ち込んだ」罪で告発され、強制収容所に送られ10年の刑罰を受けた。ソビエト連邦崩壊後、ロシアプレミアリーグが開幕したのは1992年。スタロスティンが提唱したプロリーグが現実になるまで半世紀もの歳月を要した。満足したのか四年後に90歳で鬼籍に。ロシアの代表&クラブに対して出場禁止の制裁を科すUEFA。国際舞台から姿を消す現状に天国のスタロスティンは何を思うのか。[第120話了]


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🔳写真/テキスト:横澤悦孝 🔳モデル:御木ももあ