Foot ball Drunker 〔73〕visiting 『Szamosi Mihály Sporttelep』ブダぺスト / ハンガリー


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2016年8月13日の第5節はスタートダッシュに成功した首位ヴァシャシュをホームに迎えた重要な試合。2位フェレンツヴァーロシュの中盤スタメンにはトップデビュー戦となる18歳のツセルニクが起用された。

予選とはいえUEFAヨーロッパリーグも経験したのは2017年7月20日デンマークのヘアニング遠征。FCミッティラン戦でツセルニクは手薄な左サイドバックに入りフル出場。前半負傷者が出て急遽右サイドにクンドラクも入った。


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その二ヶ月前、ブダペスト国際空港から北京に移動する際、見掛けのがハンガリーU19代表。上海での熊猫杯に北京経由での現地入り。

下の写真はDF背番号4オリヴィエ·シンドラーと背番号11ウィンガーのイシュトヴァン·ラカトシュ。フェレンツヴァーロシュのイシュトヴァンは2015年のリーグカップ戦で、既にトップチームデビューを果たしていた。

5月17日、中国代表との初戦は、1-4の圧勝。先制点はイシュトヴァンが左サイドを突破してアシスト、2点目もアシストしたのものの本好機を二度逃して満足度は50%。悪質なファウルをおかした中国人選手は退場となったもののイシュトヴァンも足を痛めたらしく前半でピッチを退き無念の表情。
そのイシュトバーンとの再会を楽しみにスタジアムに足を運んだかベンチ外で肩透かしを喰らう。


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対するモションマジャローヴァールはハンガリー北西部のスロバキア、オーストリア国境近郊の街にあるクラブ。背番号14アンドラーシュ·ウィンクラー:András Winkler【2000年11月9日生】も、U17代表時代から注目された逸材。2016年のU17欧州選手権にエントリー直後、欧州U19選手権に飛び級で参戦。2学年上のツセルニクとスイス戦の勝利に貢献した。現在Tiszakécskei


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フェレンツヴァーロシュの選手層は厚い。それにしても上記のウィンクラーも含め五人全員が二部のクラブに在籍とは。実は近年のネムゼティ·バイノクシャーグ(一部)のレベルはおそらく日本のサッカーファンがイメージしているよりも遥かに高い。それは前回のルーマニアにも当てはまる。

ではなぜ低く査定されてしまうのか。それは施設と設備、財務状況など環境面が劣悪だからに他ならない。給料の遅延や未払いのなど待遇も考えれば、東欧を目指すよりはJリーグでスキルを磨くことに集中すべきなのは明らか。

それでも東欧の各クラブは無い袖を振ってインフラ整備の涙ぐましい努力はしている。
UEFAネーションズリーグ2022-23のグループA3で2位の成績がフロッグではないことを、先月のUEFA欧州選手権予選の首位通過で証明したハンガリー代表。確かに国内でプレーする選手は激減したが自国のリーグを軽視する強豪国など在り得ない。[第73話了]


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⏹️写真/テキスト:横澤悦孝 ⏹️モデル:桐嶋しずく