欧州主要リーグのシーズンが終了したのも束の間、6月12日よりチリでコパ・アメリカ2015が開催される。南米の覇権を争う戦いが全26試合おこなわれ、この大会でしか見られない南米独特のずる賢さやテクニックが随所にちりばめられている。
南米をリードするのはアルゼンチンとブラジルだが、2強に追いつけ追い越せと言わんばかりにチリやコロンビアといった曲者も頂点の座を狙っている。優勝すればコンフェデレーションズカップ2017の出場権が与えられる重要な大会の楽しみ方を紹介する。
☆コパ・アメリカの仕組み
コパ・アメリカはアジアでいうところのアジアカップで、日本がアジアカップに懸ける思いを考えればコパ・アメリカの重要性も自然と分かってくるだろう。コパ・アメリカは南米勢にとってワールドカップ終了後初めての公式戦となり、2018年に向けてチームの土台を築いていくためにも大切な1か月となる。
そんなコパ・アメリカの仕組みだが、現代の大会とは少し違う特殊な構造をしている。参加チームは全部で12チームあり、そのうち南米勢は10チームで、ジャマイカとメキシコが招待国として参加する。その12チームが3グループに分かれ、総当たりで決勝トーナメント進出チームを絞り込んでいく。
決勝トーナメント進出の条件は、ワールドカップと同じく各グループの上位2チームとなるのだが、ここで少し考えていただきたい。3つのグループから上位2チームが決勝トーナメントに進むと、計6チームとなって割り切れなくなる。
そこでコパ・アメリカではワイルドカードを導入しており、各グループ3位で終わったチームの中から成績上位2チームを選出して決勝トーナメント進出チームとするのだ。これで計8チームとなり、通常通りの準々決勝として大会を進行できる。
つまり、グループステージで落ちるのはたったの4チームで、8チームは決勝トーナメントに進出する事になる。そのためグループステージで番狂わせが起きる可能性は非常に低く、ブラジルやアルゼンチンを筆頭に強豪と呼ばれる国は順当に決勝トーナメント進出を決めるだろう。
そして既に決勝トーナメントの対戦表も決まっていて、グループA1位は3位で突破したチームの1位と、グループB1位は3位で突破したチームの2位と対戦する。つまりグループステージと同じ顔合わせになる確率もあり、そうなった場合は大会としては盛り上がりが薄れる可能性もある。
順当にいけばグループAは開催国のチリが最有力で、次いでメキシコとエクアドルが2位の座を争う構図となる。ボリビアは恐らくグループステージで姿を消すだろう。
グループBはアルゼンチンが圧倒的に有利で、前回覇者のウルグアイは代表引退を表明したフォルランとワールドカップでの噛み付き事件の影響で出場不可となるスアレスが不在の状況で戦う事になる。
グループCはワールドカップでも対戦したブラジルとコロンビアが再び火花を散らす形となり、ネイマールを負傷に追い込んだ因縁が試合展開を激しくするだろう。それに続くベネズエラとペルーが3位争いとなり、もはや今大会の焦点はワイルドカードで決勝トーナメントに進出するのはどのチームかという話になっている。