私がルイス・スアレスを知ったのは、オランダのアヤックスにいる時だ。本田がVVVフェンロに所属し、1部リーグに昇格したシーズン、本田は得点を量産していた。その時に本田と得点王争いをしていたのがルイス・スアレスだったと記憶している。結局、本田は前半戦の6ゴールでロシアのCSKAモスクワに移籍してしまったが、スアレスはその年35得点を取り、得点王になった。
スアレスの存在を知ってから、彼の話題がサッカー界を賑わせることが多かった。初めは2010南アフリカワールドカップのガーナ戦、相手のゴール確実なシュートをハンドで止め、相手にPKを与えてしまった。そのPKをガーナが外し、ウルグアイが勝ち進んだことだ。その時は汚いプレーだと思っただけだったが、その後、スアレスは3度の噛み付き行為を試合中に行っている。1度目はアヤックス時代、2度目はリバプール時代、3度目は2014ブラジルワールドカップである。それぞれ数試合出場停止になっているが、ワールドカップでの噛み付き行為の処分は、ウルグアイ代表として9試合の公式戦出場停止、4ヶ月のサッカーに関する活動の禁止、10万スイスフランの罰金と重い処分となった。また、エブラに人種差別発言をしたこともある問題児であり、一番嫌いなサッカー選手に選ばれた。
しかし、リバプールでの2013-14シーズンは、開幕から6試合の出場停止のハンデがあるにも関わらず、リーグ得点王を取った。得点能力だけで言えば、メッシ、ロナウドに並ぶレベルの選手だろう。今までの傾向を見てみると、移籍して右肩上がりで得点数が増え、また移籍して、慣れるに連れ右肩上がりで得点数が増えていっているので、バルセロナに移籍してからもどんどん得点数が増えていくと思うが、リバプール以上に人材豊富なビッグクラブなので、初めに得点数が低くてすぐに放出されないかどうかが鍵になるだろう。
シーズン開幕当初はその勇姿をしばらく見ることができないが、サッカーのプレーで魅せる陽の部分と、問題児的な陰の部分、どちらも注目の選手なので今季も目が離せない。