Foot ball Drunker 〔112〕visiting『Stadion Partizan』ベオグラード/ セルビア

ハディッドの遺作は巨大空港とスタジアム

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日本の新国立競技場は白紙撤回となったがFIFAワールド杯で日本対クロアチア戦が開催されたカタールのアル=ワクラのアル·ジャヌーブ·スタジアムは故ザハ·ハディッドZaha Hadid【1950年10月31日生-2016年3月31日没】の設計。彼女が設計した北京大興国際空港で飲んだバドワイザーは見覚えのない金と黒のパッケージ。2019年開業の新空港は正直閑散としていた。


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記憶に新しいアジア杯2023カタールではベスト16:ウズベキスタン対タイ、準々決勝オーストラリア対韓国戦が開催されたのがアル・ジャヌーブ・スタジアム。

1勝1ゴールにも手が届かずアレクサンドル·ヤンコビッチ:Aleksandar Janković【1972年5月6日生】監督を解任した中国の醜態。

もちろんこの国の蹴球に興味など無く、欧州までの乗り継ぎで立ち寄っただけの北京大興国際空港。中国外務省は今月7日、これまでの欧州五カ国に続き ベルギー、スイス、オーストリア、ハンガリー、アイルランド、ルクセンブルクに対して短期滞在ビザ(査証)免除を発表しているが日本とは未だ停止状態。

経済低迷の中国はコロナ規制解除後も戻らない観光客に痺れを切らしての政策。ちなみに昨年から免除の五カ国はフランス、ドイツ、イタリア、オランダ、スペインと何れも代表チームが過去にアンリ·ドロネー杯を掲げたフットボール大国。


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欧州で中国との扉をいち早く開いたのはセルビア。2017年1月15日から相互免除措置を講じている。多くの中国人が訪問するのがセルビア。ベオグラードの街の案内には中国語表示が溢れ、鉄道も高速道路もドナウ川に架かる橋も、中国の投資で完成した。

寒さに耐えきれず防寒靴を購入。店員に中国人と間違われたが、彼女の話では、「今セルビアを訪れる外国人で一番多いのは中国からの観光客です。」と言われると納得。
両国の急接近が報じられるようになったのは二年前。北京冬季五輪で両国首脳の会見。この年の夏、北京首都空港とベオグラード·ニコラ·テスラを結ぶ直行便フライトの運航が開始された。その後旅客機ではなく中国の軍用貨物機が同空港で撮影される。セルビア国防省が中国が開発した地対空ミサイルを納入したのは’22年の春。

第112話はスタディオン·パルチザーナ。取材したのは2019年UEFAヨーロッパリーグGS最終節。前節AZアルクマールとのドローで既に決勝トーナメントへの道を断たれてはいるのだが、このクラブのサポーターは何時でも熱い。


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第106話のウマル·サディク:Umar Sadiq【1997年2月2日生】(現レアルソシエダ)の写真は2019年12月、パルチザンべオグラードのUEFAヨーロッパリーグ、アスタナ戦で撮影した。お目当ては浅野拓磨:Takuma Asano【1994年11月10日生】ではあるが、翌日紙面で採点最高の8.5と評価されたのはサディク。浅野にも8がつけられた。試合前の集合写真でウマルと並んでも引けを取らない長身のセンターバックは後列左端のセルビアU21代表ストラヒニャ·パヴロヴィッチ:Strahinja Pavlović【2001年5月24日生】。

’22年からレッドブル・ザルツブルクでプレー。となると昨秋のUEFAチャンピオンズリーグで顔を会わせているのだが初戦はウマルが試合終了までベンチ。二戦目はサディクがピッチに入る前にパヴロヴィッチが交代してしまいマッチアップは実現せず。


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