戦前にノイアーとボアテングが離脱し、急造布陣でスペイン戦に望むこととなったドイツ代表だったが、逆に若手に経験を積ませることができると開き直ったようなフレッシュな顔ぶれを揃えてきた。
キーパーにツィーラーをチョイスし、3バックに下がり気味のウィングバックを置いたような擬似5バックを敷き、ヘヴェデスをディフェンスリーダーにリュディガー、ムスタフィが上手く連動、右のルディと左のドゥルムも釣瓶の動きでしっかり守備に回るなど、急造布陣とはいえ非常に連動したプレイを見せた。
攻撃陣もフォランドやベララビが左右から切り込んで好クロスを連発するなど若手がしっかりと見せ場を作ったのは今後に繋がる大きな財産となりそうだ。
一方でワールドカップ優勝経験組は大きく差が出る形となった。
クロースは正確なパスから左右のベララビやフォランド、ドゥルムらを上手く指揮して中盤のタクトを振るい、試合を決めるミドルも叩き込むなどレアル・マドリードでの好調をここでも示して見せた。
一方、ゲッツェは前線で存在感を出せぬまま交代となり、ケディラは運動量はあったもののミスも多く、今後に不安を残す結果になった。
5−4−1に近い形での0トップという面白い布陣ではあったが、ミュラーもゲッツェも0トップに向く選手とは言い難く、この穴を埋める人材の発掘が急務ではないだろうか?
後半途中から入ったマックス・クルーゼがその条件に近い選手だと思われるのだが、レーブ監督の信任を勝ち得るには至っておらず、今後に課題を残すことになった。
だが、激しい雨の中での試合ということを考えると、パスを繋いで崩すスタイルのドイツにとって不利な条件下での勝利は大きな自信に繋がるはずだ。
特に若手主体での試合だったことを考えると、素晴らしい結果だったといえるだろう。
果たして次はどのような布陣でレーブ監督は望んでくるのか、非常に楽しみである。