現在アメリカでサッカー熱が高まっている。
少し前まで行われていたブラジルW杯では、アメリカ代表は決勝トーナメントまで勝ち上がった。
そして決勝トーナメント一回戦ベルギー戦で延長の末1-2で敗れはしたものの、35歳のベテランGKティム・ハワードが1試合16セーブという大会新記録を成し遂げる神がかり的なセーブを連発し、国民の英雄的存在となった。そんな姿を見たアメリカ国民は熱狂し、アメリカ大統領オバマ氏は「国民がここまでサッカーに熱中したのは初めて」などと賛辞を送った。
アメリカではかつてMLS以外にもNASLという北米サッカーリーグが存在しており、ペレやベッケンバウアーなどの超人気選手が在籍するなどしたが、財政面、アメリカ人選手が上手く育たなかったことなどを理由に、NASLは解体された。
現在のMLSはアメリカおよびカナダのサッカーリーグであり、94年のW杯開催国がアメリカに決定したことを機に、96年に発足したリーグなのだ。当初はクラブ数も10クラブと少なかったが、年々新たなクラブが参入し、2020年には計24クラブとなるのではないかとされている。MLSのクラブにはアメリカ人選手だけでなく、欧州で活躍した名選手が時折やってくる。残念ながら大体は選手としてのピークを過ぎた選手なのであるが、それでも有名選手がプレイする様子を間近で見られるのはアメリカのフットボールファンには嬉しいことで、盛りを過ぎたとはいえ、ベテラン選手がチームにもたらす力は大きく、アメリカのサッカー熱が高まっている理由の一つにもなっている。
近年ではプレミアリーグ、アーセナルで活躍したフランス国籍の名選手で現NYレッドブルズ所属のティエリ・アンリや、黄金の右足を持つベッカムも在籍していた。今夏からはチェルシーのレジェンド、英国籍のフランク・ランパード、スペイン代表歴代最多得点記録をもつ、ダビド・ビジャ、多くの名門クラブを渡り歩いた、ブラジル人選手カカがやってくる。他にもピッチを踊るようにドリブルするブラジル人ファンタジスタ、ロナウジーニョの加入が噂されるなど、MLSの移籍市場は日々大きな動き見せる。
国内の若手選手、他国からのベテラン人気選手が今以上に素晴らしいコラボレーションを作り出すことができたなら、MLSが欧州の5大リーグに劣らない人気を博すかもしれない。