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2022年カタールW杯問題を説く!

視線はすでに2018年のロシア大会から2022年のカタール大会へと移っているのかもしれない。そう感じさせるほど、連日のように2022カタールW杯のニュースが流れてくる。中東独特の猛暑での開催を避けるべく、11月~12月の冬開催に変更しようとするFIFAに対し、欧州主要リーグからは日程面の調整の難しさから批判の声が上がっている。

カタールがW杯開催地に決まった背景には賄賂など、スポーツにあるまじきものが色々と絡んでいる。もちろんそうした不正行為は許される事ではないが、FIFAは何としてでも中東でのW杯を成功させるべきだと思う。
サッカーが世界のスポーツをリードする存在である事を、2022年に示す時なのではないだろうか。

☆サッカーを世界NO1スポーツに押し上げたW杯

日本で最も人気のあるスポーツは何かと聞かれれば、野球かサッカーとなるだろう。野球は古くから日本の国民的スポーツであり、プロ野球や高校野球など盛り上がる伝統的なコンテンツがある。しかし世界に目を移すと、野球をやっている国はほとんどない。
それどころか、野球というスポーツを知らない人々もいるのだ。野球が面白くないスポーツとは感じないが、野球が世界的に流行しなかったのには理由がある。

サッカーはイギリス発祥のスポーツで、やはり欧州が本場となる。しかし、FIFAはこれまであらゆる国・地域でW杯を開催してきた。W杯はオリンピックをも凌ぐビッグイベントで、世界中から視線が注がれる。W杯で初めてサッカーに触れた人々も多いだろうし、日本人のほとんどもそうだ。
2002年日韓共同開催となったW杯でサッカーの面白さに触れ、サムライブルーを応援する楽しさに目覚めた人もいる。ロナウドやオリバー・カーンのようなスーパースターのレベルを間近で体験する事が出来、子供の間でもサッカーが流行するようになった。
こうした地道な活動が実を結び、サッカーは世界No1の競技人口と人気を誇るスポーツになったのだ。

近年も2010年に治安に問題を抱えていた南アフリカでのW杯を成功させ、W杯はより世界的なスポーツイベントへと発展している。一方の野球はWBCという世界大会を作ったものの、開催地は毎回日本とアメリカになっている。これでは野球ファンの一部が盛り上がるだけで終わってしまう。
仮にWBCをブラジルで開催した場合、規模は大きくなくともブラジルの子供たちに野球の面白さを伝える事は出来る。設備的な問題など障害は大きいが、野球の未来を考えればトライする価値は大いにある。それをしてこなかった事がサッカーと野球の人気を分けたポイントでもあるのだ。

2022年のカタールW杯も、中東開催は初となる。カタールとFIFAの間での黒い噂は絶えないものの、中東で開催する意義は大きい。世界のあらゆる場所で開催する事がサッカー人気を更なる高みに導く原動力となり、それはサッカーにしか出来ない事でもある。
気候・土地・治安など、様々な障害をクリアしていく過程にスポーツを超えた人間の繋がりを見出し、新たな未来を見せてくれる・・・。それこそがW杯の真の意義である。発祥の地である欧州で身内の優勝決定合戦ばかりおこなっても価値は無い。

南米予選でも高地に位置するボリビアでのホームゲームは、選手の身体への負荷が激しすぎてサッカーに適さない環境だと言われ続けているが、そこでボリビアのホームゲームを無くしてしまえば高地にある国を健全な国家と認めない空気となってしまう。
そうした差別などをカバーしてきたのがサッカーの偉大なところであり、世界中で愛されている理由なのだろう。