今シーズン指揮官にモウリーニョを迎え入れ、ストライカーにイブラヒモビッチ、更にはフランスの若き司令塔ポールポグバを高額の移籍金で獲得したマンチェスターユナイテッド。長く低迷をしていたチームは今シーズン復活を果たすのだろうか。
私の見解から先に伝えておくと復活を果たすだろう。序盤までの戦いをみれば大崩をするような戦いではなく安定した戦いをシーズン通して維持することができるはずだ。
ポイント1 イブラヒモビッチの存在
善くも悪くも彼の存在感は別格であった。正直、年齢のことも踏まえ、彼のマンU移籍はうまくいかない可能性も感じた。しかし彼の前線で放つ存在感は別格であった。常に前線で起点を作れサイドからのクロスには中央で構えている。マンUのセンターFWは近年サイドに流れる傾向の強い選手が多くいたがイブラヒモビッチが前線で起点を作れることは大きなアドバンテージになっている。また先に年齢のことを述べたがイブラヒモビッチは大きな怪我も少ない選手でフィジカルコンタクトが激しいプレミアでも長いシーズンを乗り越えていけるだろう。彼の出来が今のマンUの勝ち点を大きく左右するのは間違いない。
ポイント2 モウリーニョ体制
結果至上主義のモウリーニョ、また優勝請負人でもあるモウリーニョ。彼が就任1年目で結果を残さなかったことはほぼない。モウリーニョ体制が崩れるときは就任後フロントやチーム内で確執が起きるときだ。現行のマンUの試合をみるとしっかりとハードワークもでき、チームが崩壊するような感じではないが、世界各国のスター選手がベンチを温める環境のなか、いつ選手たちの不満が爆発するかわからない状況は続く。モウリーニョはスタメンのメンバーを入れ換えることを嫌う。そんな中でチームの不振が続けばモウリーニョ体制の崩壊なんてことも考えられる。モチベーターとしても知られるモウリーニョの腕が試されることになるだろう。
ポイント3 豊富な選手層
近年多くの補強をしているマンU。今年もイブラヒモビッチ、ポールポグバ、ドルトムントからはムヒタリアンと世界屈指の選手の補強をしている。気になるのはDFの補強が少ないことだけだ。モウリーニョはスタメンを固定することから選手層の厚さは大きな影響はないと思われるかもしれないが、フィジカルコンタクトが激しいプレミアでは選手層の厚さは長いシーズンを戦う上で大きなアドバンテージとなる。もちろん怪我なくシーズンを終わらせることが非常に重要な部分ではあるが、非常事態でもあまり余る戦力を保持していることは大きなポイントである。また新加入選手ポールポグバがどれだけプレミアのサッカー、モウリーニョサッカーにフィットするかは個人的に非常に興味のある部分である。万能型の選手だけに活躍出来ないことは考えにくい、序盤はチーム戦術を理解するまでに時間がかかるだろうが、シーズン終盤には絶対的な存在に変わるだろう。
今シーズンマンUが上位争いをすることは間違いないと私は考える。優勝候補の筆頭であると言っても過言ではない。ただ、今シーズンに限って言えばそのような評価になるが、この強さが数シーズン続くかどうかは疑問に感じる。ファーガソンが築いた常勝というチームに変わるまではまだ時間がかかる。悪い言い方をすれば今シーズンの強さは金で買った強さで、これをいかにチームとして成熟させるかである。まだまだ若い選手が多く在籍するマンUには常勝チームに復活する要素は存分にある。昔からのサッカーファンからすれば強いマンUを期待せざるを得ない。今後のチーム作りに大いに期待しよう。