今回の遠征前は、メンバーから澤が外れたと話題になっていましたが、世代交代が巧くいっていない中で、やはり大野、大儀見、鮫島、近賀らが招集されました。
試合の立ち上がりは、まず、なでしこがカナダ女子のゴール前へとロングボールを入れ、クリアボールのスローインからチャンスを作ろうとしており、ずっと一緒にやっている選手同士のパス交換でしたので、距離感も良かったと思います。
カナダ女子ですが、DFライン、MFラインがきちんと揃っており、これが、動きながらのことですから、よほど練習を積んでいるのでしょう。
3分過ぎ。宮間のフリーキックからチャンスを作りますが、カナダ女子のGKが飛び出してこれを叩きました。
4分過ぎ。なでしこがシュートを放ちますが、カナダ女子はスピード豊かな攻撃でお返しをします。
ロンドンオリンピック6得点で得点王となったシンクレアは、やはり要注意人物で、彼女だけではなく、シュミットとウィルキンソンも脅威です。
6分過ぎ。宮間からのパスに抜け出した大野ですが、オフサイド。
なでしこですが、ここまでは宮間のダイナミックなサイドチェンジであったり、鮫島のオーバーラップであったり、川澄のロングシュートであったりと、幾分と押し気味に試合を進めることが出来ており、大儀見が1点目をもぎ取りました。
20分過ぎからは、なでしこはカナダ女子のスピードに着いて行くことがやっととなり、たとえボールを奪ってもパスの出しどころがない為に、一気に前線へパントすることが多くなっていました。
これにはカナダ女子の最終ラインを下げる意図もあったのでしょう。
25分過ぎ。タンクレディがゴール前に飛び出してヘディングを叩き込みました。
あわやゴールといったシーンでしたが、ボールは枠外に。
28分過ぎ。熊谷が高いセンタリングに競るも、パワーで勝てず。
これは恐らく、この競り合いで勝てるかどうかを観たということでしょうし、勝てなければ別の手を施す。と、キックの精度ばかりが話題になる宮間ですが、コーチングも的確で頭も良く、正になでしこの心臓です。
30分。なでしこはこれでもか!と言わんばかりにDFラインを上げていましたが、カナダ女子もこれに対抗して、日本陣内に8人もの選手がおり、引かないところをプレイで表していました。
35分過ぎ。オーバーラップした鮫島も、高く時間を掛けたセンタリングを上げましたが、やはり高さでは勝てず。
鮫島のキックはあまり話題に登りませんが、元々高い精度を持っていました。
鮫島については、このなでしこで一番成長した選手かもしれず、ほんの少し前までは、内股の鈍足でした。にもかかわらずあれだけのオーバーラップを掛けられていたのは、中盤でボールを支配出来ていたからです。
それが現在では走りかたも変わり、ダイナミックになりました。
オリンピック時には監督にお尻を叩かれていたことが随分と昔のように思えます。
37分。川澄がワンフェイントを入れて相手を交わし、ゴール前にボールを入れました。彼女はとても献身的なプレイをし、サイドからサイドどころか、フィールド狭しと走り回っています。しかし本来の川澄はアタッカーなので、もう少しそういった色を出して良いと思われます。