【ベンチ入り】
GK16.河田晃兵、DF6.金正也、23.内田裕斗、MF17.明神智和
目次
5連勝&天敵対峙のベストゲームを経て、鳥栖戦と同じメンバーでスタート
ガンバはブラジルW杯による中断をリーグ16位と言う降格圏で迎えたものの、中断明け後の5連勝で一気に盛り返し。連勝ストップ後はやや停滞したものの、新潟を5-0で粉砕して復調し、カップ戦含めた5連戦ではナビスコカップ準々決勝で神戸との対戦を2試合合計4-1で勝利して準決勝進出。続いて迎えた天皇杯の4回戦ではJリーグを2連覇している広島と対戦。ガンバは中盤をダイヤモンドで組む新たなオプションによる広島対策を成功させて1-3と勝利し、ベスト8進出。直後のリーグ戦でも広島相手にダイヤモンド型の中盤が機能して連勝。実にリーグで唯一のJ1リーグ、ナビスコ、天皇杯の3冠の可能性を残しています。
さらに、”大阪ダービー”で岩下欠場の不安を感じさせない丹羽の集中したDFラインの統率で2-0と完封。真のDFリーダー丹羽の先発定着でそこから5連勝をPKによる僅か失点1で抑えて再び連勝街道に入っています。
久しぶりに前の試合から1週間空いたこの日は、前節に天敵・鳥栖を今季ベストゲームと言える完璧な試合内容で下したメンバーがそのまま継続してスタメンに名を連ねてスタート。尚、アジア大会で負傷したU21日本代表DF西野が離脱し、前節を欠場したMF倉田はベンチに戻っています。
【マッチレポート】”ボールを持たされた前半”頼みは2トップの個人技
鹿島アントラーズは現在J1リーグ2位。現在4位のガンバとの勝点差は3という位置付けで、得点数51というリーグ最多を記録しています。チームには昨季から2000年シーズンにJリーグ唯一の3冠(リーグ、ナビスコ、天皇杯)を達成時のトニ―ニョ・セレーゾ監督が再就任。その3冠シーズンにもそれまでの主力から小笠原満男・中田浩二・本山雅志という同級生の若手MF陣を筆頭に世代交代を施したように、今回も主力の高齢化が進んでいたチームをフラットな目線で確かな実力を見極めつつ大幅な世代交代でフレッシュなチームに生まれ変わらせています。今季はエースFW大迫勇也と長年守備の要として黄金時代を支えたCB岩政大樹が海外移籍でチームを離れたものの、このたびのアギーレジャパンにDF西大伍、昌子源、MF柴崎岳の3人を日本代表選手に派遣するほどの実力派の若手集団は先発メンバーの平均が23歳前後という中で堂々と優勝争いを繰り広げています。しかし、この日はエースFWダヴィが出場停止。日本代表選出の3人は出場したものの、その1人のCB昌子は負傷を押しての出場となりました。
試合の方はキックオフからガンバがボールを持つものの、明らかに鹿島に”持たされていた”序盤。シュートまで至らない相手守備ブロックの外でのボール回しが続き、それを鹿島が奪っての鋭いカウンター攻撃を仕掛けるという構図。そしてそれが早々に狙った形でやられました。
5分、中盤で奪ったボールを右ワイドでフリーのMF遠藤康へ展開され、エリア内へ狙い済ました長いスルーパス。コレをファーサイドからニアサイドへ向かってダイアゴーナルに走り抜けてガンバDF陣の背後を取ったFW赤崎秀平がエリア内で受けると、カヴァーに入ったガンバDF岩下敬輔もあっさり交わして冷静に決め、鹿島が先制。1-0。エースの代役となった大卒新人FWの電光石火の先制点でした。
さらに14分にはガンバ最終ラインの不用意なビルドアップからGK東口が致命的なミスキックで相手にボールを渡し、鹿島が絵に描いたようなショートカウンター。赤崎がガンバDF陣の間を通すスルーパスにエリア内でフリーで走り込んだMFカイオがシュートも、追加点濃厚の最悪の展開をGK東口がビッグセーブで防ぐ。(自作自演だったので当然と言えば当然ですが)
ポゼッションはするものの、引いた相手を崩せないガンバは、やはり前線にスペースがある早い段階でFWパトリックを使う長めのパスが多くなり、単発な攻撃に活路を見出さざるをえなくなります。それでも、この日のパトリックはマッチアップした日本代表CB昌子が可哀想になるぐらいのキレをプロレスラーのような鋼鉄の巨体と規格外のフィジカルを合わせて見せつけて起点となり続けました。
22分にはロングボールを受けたパトリックが右サイドから突破を狙いつつタメを作り、落としたところに宇佐美貴史のシュートがあったものの、これは大きく外すも次第に流れはガンバにも傾きかけていました。
そして29分、ガンバが左サイドでのポゼッションからMF遠藤保仁が中央へ入れたクロス。誰にも合わずに流せばゴールキックの場面で、背後にパトリックがいると錯覚した鹿島左SB山本修斗が焦って頭でクリアするもミス。これがミスどころか自陣ゴール方向へ飛び、さらにGK曽ヶ端準の逆を突いてオウンゴールの判定となり1-1に。
その後、阿部が鋭いミドルシュートも放ったものの、前半のガンバのシュートは2本のみ。
その後の時間帯はボールは支配せずとも奪ってからボールホルダーをどんどん追い越す動きで鋭い速攻を仕掛ける鹿島がチャンスを多く作りました。
特に43分、鹿島最終ラインからのロングパスに右SB西が攻撃参加して前線で受け、対応した岩下を巧みな身のこなしで交わした西がエリア内まで侵入。GKまで至近距離まで持ち込んだのは完全な決定機。しかし、西のシュートはコースも甘く、GK東口がビッグセーブで防ぎ1-1で前半を折り返します。
ポゼッションよりも速攻やカウンターが猛攻を呼ぶ壮絶な打ち合い今季Jリーグベストゲーム
両者メンバー交代なしで迎えた後半は鹿島がボールを持つ展開に。しかし、この試合は面白いことにポゼッションしている側がシュートを打てないゲーム展開となり、この時間帯の決定機と呼べるのは鹿島にはなくガンバに。
54分、機を見たジェソクの攻撃参加。パトリックが起点となって落としたボールをジェソクがリターンパス。受けたパトリックがゴール前でシュートを放ったり、59分にはパトリックと遠藤のワンツーで中央突破からのラストパスにパトリックがシュート。これはGKに弾かれるも、このこぼれ球にただ1人反応した阿部がしっかりと腰を入れての180度回転右足ダイレクトシュートがファーポスト・・・・外にきれていって無得点。