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本田圭佑の活躍とACミランを正確に楽しむ方法

 否定的な話ばかりしてもつまらないので面白い話題も。本田が初出場したサッスオーロ戦後にマキシミリアーノ・アレグリ監督が解任され、マウロ・タソッティ代行監督を経て、ボタファゴで現役選手としてプレーしているクラレンス・セードルフを現役引退させて新監督に就任させたわけですが、ここで絡んでくるのがオーナーのベルルスコーニ家。

 オーナーの娘であるバルバラ・ベルルスコーニが本田が加入する直前に、チームの低迷に異議を唱えて父シルビオの右腕としてミランを“世界最多の国際タイトル獲得クラブ”に仕立て上げたアドリアーノ・ガリアーノCEOと同じ副会長に就任。

 これまでのように大幅な投資もできなくなった父シルビオとしても、娘バルバラに将来的にはクラブを託す方向での共存策だったのでしょうが、アレグリ解任により、バルバラの立場がさらに強くなったと思われます。バルバラはブラジル代表FWアレッシャンドレ・パトがミラン在籍時に交際していた事で、ガリアーニが当時の移籍市場で、そのパトとアルゼンチン代表FWカルロス・テべスのトレードが合意に達した際にも父の”鶴の声”でトレードを破断にさせた経緯もあり、ガリアー二とは犬猿の仲でしょう。

 そんなバルバラがミランで本格的に経営権を握る際にはチーム強化のためにサッカー部門での専門的な人物と手を組む必要があります。その有力候補となっているのが、昨季は昇格組ながらもヨーロッパリーグ圏内で躍進したベローナで辣腕を振るうセアン・ソリアーノSD(スポーツディレクター)と、同じく今季はヨーロッパリーグで決勝トーナメント進出を果たしているトリノでベテラン指揮官ジャンピエロ・ヴェントゥーラと二人三脚で攻撃的なチームを作り上げて来たジャンルカ・ペトラーキSDの2人。

 実は2人とも元日本代表MF中田英寿とペルージャでプレーしていた元選手であり、当時からセリエを観戦していた僕にとっては胸が宿ります。ペトラーキは中田の開幕戦初ゴールをアシストした右ウイングであり、ソリアーノはDFライン全てをこなすDFの貴重なバックアッパーでした。当時のペルージャは誰にも止められないドリブル突破を武器にするクロアチア代表MFミラン・ラパイッチや、冬でも短パンでビッグセーブ連発するけど正面でもキャッチできないGKマッツァンティーニなど個性が強すぎる選手が多かったのですが、この2人がイタリア屈指のスポーツディレクターとなって現役引退後にビッグクラブにステップアップ移籍しそうなのは面白いし、当時のペルージャを観てて良かったと思える次第です。

レギュラーを取れるか?ではなく取らなければいけない理由

 それもあって中田がビッグクラブであるASローマでプレーした際にポジションを争った国民的英雄であるフランチェスコ・トッティの前に出場機会が少なくとも確実に結果を出していた事を思い出したのですが、当時の中田に比べると、本田もしっかり数字に残る結果を残せよ!!っと言いたくなります。

 特にライバルとなる2列目の選手が、昨季はカカ、ロビーニョ、ターラブト、ビルサという“かつてのスター選手”でピークを過ぎている選手ばかり。今季はボナベントゥーラは活躍しているとはいえ無名の選手ばかりです。だから本田は絶対にレギュラーとしてプレーしないといけません。なぜなら彼等は昨年行われたブラジルW杯に出場できなかった選手たちです。カカは経験や人柄を買われていたかもしれませんが、ロビーニョと共に元代表。ターラブトはモロッコ代表、ビルサはスロベニア代表と予選敗退国ですから。ビルサに関しては南アフリカW杯で10番としてゴールも決めていて関心した選手ではありますが、やっぱり年齢的にもピークに当たるし、背番号10も含めて本田がミランの浮上のキッカケとならなければいけません。

 長々と書いてきましたが、要は長く観ていけば、もっともっと面白くなりますよ、という話です。ブランド志向よりも、長く観る観戦法をオススメしたいと思います。幸い、僕はBS12でACミランチャンネルが無料でリーグ戦は観戦できますので、本田加入後から観戦して楽しんでおります。

 皆様の本田圭佑ウォッチングに少しでも楽しみを提供できればと願います。