選手交代もなしで迎えた後半、上尾野辺が中盤でプレーした新潟Lの方がペースを握っていたとも言えた試合内容だった。実際、後半のINAC神戸のシュートは澤がCKに合わせた2本のみ。90分トータルでもINAC神戸のシュートは7本のみで、新潟Lは8本だった。
INAC神戸にとっては苦しい展開だったが、「苦しい時は私の背中を見なさい」と澤の残した名言通りに、INACの選手はもちろん、新潟Lの選手も球際で粘り強く戦った。そして、澤自身も現役ラストマッチで圧巻のプレーを見せたのは、この球際での強さやボール奪取の部分だった。華やかなイメージのある澤だが、彼女は特別際立った魔法のようなテクニックを持つわけでもなく、セットプレーでもキッカーを務めるような選手ではない。ただ、この日もボランチとして試合を支配していた。