広島が最終ラインを押し上げながら試合をコントロール。パスを繋ぎ、奪われてはインターセプトをする広島の波状攻撃が始まり、セカンドボールを拾って右の塩谷に展開。外側をミキッチが回り込み、塩谷がフリーでクロスを上げる。ニアサイドのGKとDFの間へ鋭く速いボールが供給されると、J1通算最多得点記録157に並んでいるFW佐藤寿人がスライディングで伸ばした左足で合わせた。パスワークで試合をコントロールしながら崩す攻撃の中、佐藤の大好物のようなクロスが来た時点で勝負あり。継続性は確実に均衡を破っており、1-0と広島が先制に成功。
途中出場の浅野、ウタカが追加点 広島が2年ぶり4度目の制覇
ただし、佐藤はこのプレーで痛めていた肉離れ寸前の足を引き摺りながら、53分に負傷交代。佐藤の、「拓磨、あとは任せた。決めてこい」 という言葉がテレビ中継の放送主音マイクに入り、今季から10番を着るFW浅野がピッチに登場。
その浅野は俊足を活かして広島のカウンター攻撃を引き出すスペースを作ると、味方のMF柴崎、柏好文が絡んだ左からの速攻に対して、G大阪DF丹羽大輝がエリア内でハンドを取られてPKを獲得。57分、このPKを入ったばかりの浅野が思い切りの良いキックで日本代表GK東口順昭が守るゴールマウス中央上部を破り、広島が2-0と追加点を挙げる。
2点のビハインドを背負ったG大阪は59分、全くチームにフィットしきれていないパトリックとアデミウソンのブラジル人コンビに替え、MF倉田秋とFW長沢駿の日本人コンビを投入すると、それまでシュートにすら持ち込めなかった攻撃のリズムが改善。そして、68分に右サイドからカウンター気味に持ち出したMF阿部からの速いクロスに宇佐美が頭から飛び込んで2-1とした。
しかし73分、広島の期待を背負う新戦力がリードを拡げる。4分前に途中出場したFWウタカが、右CKからニアサイドで相手MF遠藤保仁がクリアミスで中央へ入って来たボールを右足一閃。ブロックに入ったG大阪DFの脚をも吹っ飛ばす豪快なボレーシュートが決まって3-1。
試合は2点リードした広島がやや引きながらもカウンターから追加点の好機も作るなど試合巧者ぶりを発揮。途中出場の浅野とウタカが得点を挙げる好循環もあり、そのまま3-1で勝利した広島はスーパー杯を2年ぶり4度目の制覇となった。