世界へ向けた紫の確実な第1歩
【FIFAクラブW杯・開幕戦】
サンフレッチェ広島2―0オークランド・シティ
<得点者>[サンフレッチェ広島]皆川(9分)、塩谷(70分)
CSから先発メンバー6人変更の広島 選手層を分厚くした今季の成長を見せる
明治安田生命Jリーグチャンピオンシップ決勝で昨季の国内3冠王者であるガンバ大阪と2試合を戦った末に勝利したサンフレッチェ広島。開催国王者として今大会への出場権を獲得したのは12月5日だった。
そこから5日後、彼等は6大陸の王者が集うクラブW杯開幕戦のピッチに立つ事に。初戦の相手はオセアニア王者のオークランド・シティ。5大会連続7回目の出場という常連クラブで、昨年の同大会ではクラブ史上最高位の3位に躍進。とはいえ、ニュージーランドのセミプロ集団。開催国王者として絶対に落とせない相手で、3年前にもサンフレッチェが出場した同大会でも開幕戦で激突しており、その際は青山敏弘のスーパーミドルが決まって1-0で勝利している。
この精鋭セミプロ集団を迎えるにあたって、サンフレッチェの森保一監督は全く同じ陣容で戦ったCS2試合から6人の大幅な先発メンバーの変更を断行。若手や負傷上がりの主力選手を抜擢して、大会を通したメンバー選考で挑む事に。シーズンを通して成長しながら勝って来たサンフレッチェにとっては、この先発メンバーでもしっかりと勝つ事がその証明にもなるはずだ。
【マッチレビュー】順調な試合運びを見せるも、負傷者続出
試合の方はサンフレッチェが序盤からピッチを広く使う試合運びを見せて、サイド攻撃からオークランドを攻略。上背のあるニュージーランドのクラブにあって、昨年のハビエル・アギーレ体制の日本代表に選出されたFW皆川佑介が先発に入った事が攻撃面でのポストプレーや、守備の場面でのセットプレー対策でも効果を発揮。また、前半は彼の裏への抜け出しも効いていた。
そして9分、サンフレッチェが左サイドを突破した清水航平からのクロスが逆サイドに流れ、右サイドからは柏好文がドリブルで粘ってCKを獲得。その右CKをショートで繋いでリスタートすると、CSでは2試合とも出場機会が無かったMF野津田岳人が得意の左足で強烈なミドルシュート。GKの手元で回転がかかって落ちたボールはGKが弾き、こぼれ球に対して詰めたFW皆川が押し込んでサンフレッチェが先制。
しかし、得点直後のプレーで野津田が負傷交代。その野津田と替わって出場した柴崎までもが後半開始早々に負傷交代。さらに清水までもが後半の早い時間帯で負傷。3人の選手交代を全て負傷で使う緊急事態となる不測の事態に。