Foot ball Drunker 〔133〕visiting 『GPS Stadium』ニコシア / キプロス

欧州からキング帰国 ならば無意識に撮る

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空港にはドラマがある。予期せぬ偶然の再会に大声をあげたり涙を流す人を目にする機会もこの場所では然程珍しくはない。先月21日の羽田空港第二ターミナル。昨夏約三年ぶりに再開したばかりで、専用の第三に比べれば国際線の運航本数も少なく喧噪から離れてのPC操作にはうってつけ。この原稿をタイプしていたら見覚えのある御仁が颯爽と通り過ぎるので反射的に携帯のレンズを向けた。なんと“KING”三浦知良:kazu【1967年2月26日生】がポルトガルから帰国。


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アルトゥール·ジョルジェ:Artur Jorge【1946年2月13日生-2024年2月22日没】氏が本年2月22日リスボンで鬼籍に。息を引き取ったのは首都の病院でも北部ポルトに生まれFCポルトでプロデビュー。引退後もFCポルトの監督に就任。’87年のUEFAチャンピオンズ杯決勝でバイエルン·ミュンヘンを破った名将として知られるが、個人的には’85年のチャンピオンズカップの印象が強い。9月17日ヨハン·クライフ:Johan Cruyff【1947年4月25日-2016年3月24日没】率いるアヤックスに2-0の完勝。一週間後のアウェー戦をスコアレスドロで乗り切り一回戦を突破したのだが二回戦ではFCバルセロナにアウェーゴール差で惜しくも敗退。然し故ジョルジェ氏といえば、やはりあの日の出来事を思い出さずにはいられない。


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第133話はキプロス北部のニコシア地区ストロボロスにあるGPSスタジアム。
UEFAチャンピオンズリーグ2014-15予選を勝ち抜いた10チームを加えた欧州トップッレベルの32強。最北のゼニト·サンクトペテルブルクと最西端のベンフィカリスボンが同組。最東にして最南がAPOELニコシア。


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スポルティングCPも参戦しており、ポルトガルの首都からキプロスまでの距離は約三千七百キロ。東京からマニラまででも四千キロに満たないから、やはり欧州は広い。12月10日チャンピオンズリーグのグループステージではアヤックスが4-0でアポエルを粉砕ヨーロッパリーグ決勝トーナメントへの権利を手にした。上写真は翌日のAD紙面。

アポエルはこの試合で3位アヤックスを勝ち点で上回るためには勝利が条件。ポゼッションで圧倒され試合のほとんどはアウェー陣内で行われた。バルセロナとパリ·サンジェルマンが同組とあって、番狂わせのない順当な結果に終わる。


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今季そのアポエルは、トルコシュペルリグから移籍金の発生しないベテランを獲得。ウィルソン·エドゥアルド:Wilson Eduardo【1990年7月8日生】は、2021年アランヤスポルに加入。2004ポルトからスポルティングCPの下部組織に移り’09年トップチームに昇格する。


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ポルトガルU-20、U-21代表に招集されていたがA代表は’19年のアンゴラ。2014-15シーズンはかつてカズも在籍したディナモ·ザグレブとオランダのADOデン·ハーグへ貸し出され翌シーズンからは母国のブラガに。本職は左翼でも5年間で151試合46G21Aを記録。得点がアシストの倍以上と中央での仕事もできる。


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