62〗Gamla Ullevi / ヨーテボリ


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ある程度手応えを掴んで迎えたはずの13節アウェーのアヤックス戦。ここまでディスレタムが出場した八試合で黒星はフェイエノールトに 1-2 で敗れただけの二勝五分。しかしこの試合の結果は···0-5の大敗。この試合前半だけでハットトリックを達成したのはデンマーク代表のストライカー、カスパー·ドルベリKasper Dolberg【1996年10月6日生】。それにしても前回に続き NECナイメイヘンに対するアヤックスの攻撃はえげつない。それゆえに今季の日本人対決への期待も高まるのだが。

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スポーツデータブランドの OPTAが世界のリーグランキングを発表しおり非常に興味深い。欧州の強豪国に南米二強が加わったベストテンまでは極めて順当。その下にアメリカ、メキシコ、日本と欧州以外のリーグが続くのだが、その次にくるのがクロアチア(77.8)そして前回ウインターブレイク期間が日本のシーズンオフと変わらないことを紹介したポーランド、デンマークが’77.6で並んでいる。ここまでが77点台。
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リ-グの平均レベルならばトルコにも負けないスウェーデンの現実

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その下がセリエB(76.4)スウェーデンのアルスヴェンスカンが76.3。更に下に視線を降ろすと僅か 0.1 ポイント差で肩を並べたのがトルコ一部とスペイン·ドイツの二部。そして0.1ポイント差でロシア、オーストリア、スイス。76に0.1ポイント足りなかったのがノルウェー。欧州からは三十位内にチェコとハンガリーが入ったこの順位はプラグマティック。例えばハンガリーの名前が最後に出てきたが、セルティックに多くの日本代表が在籍したスコティッシュ·プレミアリーグや23-24シーズンのUEFAカンファレンスリーグ(ECL)王者オリンピアコスが君臨するギリシャ、CLでは昨季VfBシュットガルトに5-1で勝利したツルヴェナ·ズヴェズダ=レッドスター·ベオグラードが所属するセビリアリーグのほうが上のような気がするはず。特筆すべきは僅差ながらガラタサライ、フェネルバフチェ、ベシクタシュの三強で知られるトルコよりもアルスヴェンスカンが上にある。
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同リーグを約十年ぶりに見て、突出した強豪がおらず欧州のコンペティションでも目を見張る好成績は残していなくともリーグのレベルは確実に上がっていると感じた。年明けのUEFAランキングではベルギーの強豪アンデルレヒト、パルチザン·ベオグラードに次ぐ78位にランクされたのはストッックホルムのユールゴーデンIF だった。その下には前回も登場したラピド·ウィーンとSKシュトゥルム·グラーツのオーストリア勢。一昨年のU17ワールドカップにも出場した小杉啓太:Keita Kosugi【2006年3月18日生】の活躍もあって昨季はUCLで四強入りしたユールゴーデン。リーグアンのLOSCリールが小杉に関心を示したのも理解できる。小杉は湘南ベルマーレユースからJリーグではなくアルスヴェンスカンを選択した。
 

クラブユ-スと部活(高体連)を選べる恵まれたサッカ-環境

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Jリーグが欧州か以前に、中学生年代の日本のサッカ-少年達は高校の部活かクラブチームのユースか選択を迫られる。結論から先に言ってしまえば何方でも正解。大切なのは自分で選ぶこと。一昨年本田圭佑:Keisuke Honda【1986年6月13日生】がSNSで世界でも珍しいと日本の部活を高く評価したことに賛否両論が飛び交い話題になった。部活動反対派からは地域のスポーツクラブへの移行を推奨する声も。学生(大学)スポーツ大国アメリカは別にして、欧州で日本のような部活動に力をいれる国は存在しない。そもそもスウェーデンは出来るだけ学校と余暇の時間を切り離す方針。その為、各地域にはユースセンターなる中高生向の余暇施設を設けてている。異なる学校の生徒達が自由スポーツや音楽芸術など文化活動で交流を楽しむのが目的。三十年前は黎明期、日本代表がアジアの壁に苦しんでいた時代は大昔。日本代表は二大会連続のベスト16、裏付けとなるのは、根幹のJリーグが世界で十四番目のリーグとして認知されている事実。韓国や中国は論外、欧州の中堅国を追い越したのはクラブユースと部活の二本の柱があってこそ。育成環境の目覚ましい向上を抜きにしてJリーグの発展は語れない。スウェーデン人に日本の高校サッカーを見てもらうとおそらく「これはかなわない」と兜を脱ぐだろう。
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