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J1リーグ最終節 徳島ヴォルティスVSガンバ大阪

最終節を前に今季初の首位へ浮上。J1昇格初年度の偉業とある3冠へ向けてベストメンバーで挑む!

 ガンバはブラジルW杯による中断をリーグ16位と言う降格圏で迎えたものの、中断明け後に5連勝と7連勝を記録して一気に盛り返し。カップ戦は先月にナビスコカップ決勝でサンフレッチェ広島相手に0-2から3-2への大逆転優勝。天皇杯でも決勝進出を決め、Jリーグ史上2000年の鹿島アントラーズ以来2度目の3冠の可能性を残しています。

 リーグ戦では前々節のアウェイ埼玉での首位・浦和レッズとの首位攻防戦を「睨めっこで瞬きするまで動きません」というような超神経質な首位攻防戦を、終盤に相手が前に出た隙をついて0-2と勝利し、レッズとの勝点差は2へと縮めて残り2試合に託す運びに。
 その次のリーグ戦との間に組み込まれた天皇杯準決勝は開催地が東京の味の素スタジアムという事や、リーグ戦佳境の中での冬の平日ナイターという酷い日程によりガンバだけでなく、他クラブも含めて天皇杯の権威が問われる複雑極まりない準決勝も、相手の清水が直近のリーグ戦から9人の先発メンバーの変更があった中、ガンバは3人の変更のみに止め、ヤングエスパルス相手に一時は同点にされるも5-2で快勝して決勝進出。さらに、天皇杯から中2日で迎えた神戸戦にも勝利し、同時刻で開始された首位・浦和が終了間際に追いつかれ事で、ガンバはリーグ戦で今季初の首位に浮上して最終節を迎える運びに。

 その最終節の相手となるのは早々とJ2降格が決定していた徳島。この日は、前節を累積警告の出場停止で欠場した米倉が右SBに復帰し、ジェソクが左に回る1カ所の変更となるベストメンバーでスタートしました☆

【徳島ヴォルティス】中断期間の大型補強も効果なし。シーズン未だ3勝の最下位でJ2降格も、ホーム初勝利に燃える

 大分トリニータやモンテディオ山形をJ1昇格へ導いた実績を持つ”昇格請負人”小林伸二監督の下、ガンバ、ヴィッセル神戸に次いで、昨季J2リーグ4位でJ1昇格プレーオフを勝ちあがり、四国勢初のJ1昇格を勝ち取ったチーム。しかし、クラブ史上初のJ1シーズンは開幕から9連敗のままJ2降格へまっしぐら。それもそのはず、初のJ1シーズンを迎えた開幕までに獲得した新戦力は1人も定位置を奪えないどころか、昨季J1昇格を果たしたメンバーから司令塔を担ったMF柴崎晃誠が抜け、その穴を全く埋められず。実質、昨季より戦力ダウンした状態で戦ったシーズンでした。

 夏に、清水エスパルスからロンドン五輪DF村松大輔、昨季は神戸でプレーしていた元コロンビア代表MFエステバン、大阪の両雄でエースとして活躍したFWアドリアーノを中東から獲得。しかし、遅きに失した大型補強は逆に空振り。結局、最終節を残してホームでは未勝利のまま。シーズン通算でも3勝のみという散々な成績で5試合を残して早々とJ2への降格が決定してしまっています。

【マッチレポート】”何もなかった前半”に門番となったのは”元ACL王者”MFエステバン

 最終節を前に首位へ浮上したガンバ。2位のレッズとは同勝点ながら得失点差7の大きな差でリードしており、勝てば文句なく優勝の条件。3位で勝点2差の鹿島アントラーズまでに優勝の可能性があった最終節が遂にキックオフ。序盤からボールを持ったガンバに対して、ホーム未勝利のままJ2へ降格したくない徳島が立ち上がりから徹底して自陣に引きながらも、ボールホルダーにガンガン激しく当たるマンツーマンとスペースを消すゾーン守備を組み合わせたようなハイブリッドな守備で全く隙を見せずに対応。

 長谷川健太監督が就任してからのガンバは守備に重点を置いているため、パスワークではなく、攻守の切り替えの速さから来るボール奪取を起点にした(バスケットボールで言う)”ファストブレイク”(速攻)でゴールを量産してきたものの、こうして引いて守る相手を崩すアイデアや、パスコースを増やす緻密な攻撃に課題があるので苦戦必至を感じさせました。

 そして、こんなことをJ1最終節のリーグ優勝が懸かる試合で言いたくないのですが、「前半を見逃したヒト達、気のせいです。何も見逃してません」とでも言いたくなるぐらい何もありませんでした。

 ただ、その何もないように対応したのは”元ACL王者”の看板を持つ徳島MFエステバン。蔚山現代で2012年に元ガンバ戦士のイ・グノ、キム・スンヨン、ラフィーニャと共にアジアを制したチームにあって、攻守の要となって大車輪の活躍を披露した元コロンビア代表が、リーグ優勝を目指すガンバの前に大きな門番として立ちはだかりました。そのエステバンが、チーム全体でスペースを埋める徹底した守備を見せる徳島にあって、対人やボール奪取力の高さを見せて速攻の起点に。イメージ的には今季の後半戦で連勝街道を走っていたガンバでの今野の役割をさらに高精度でやってのけていました。
 そのエステバンの出色のプレーに触発されたか?アンカーに入っていた徳島の主将MF斉藤大介がセカンドボールやボール際の競り合いを幾度も制して、ガンバにバイタルエリアのスペースを全く与えませんでした。

 そして、その奪ったボールをシンプルに縦へつく速い攻撃から、単発ながらも14分には中央を経由して左サイドを駆け上がってきた左SB那須川将大に強烈なシュートを許したり、エリア内まで大崎淳矢と衛藤裕に侵入される危ない場面もあるなど、徳島のゲームプラン通りに試合は進行。

 結局、ガンバの初シュートは28分、米倉のアーリークロスをパトリックが競り、エリア内に落ちたところを阿部が拾って放ったシュートが上へ外れていったプレーまで待たなければいけませんでした。
 直後の31分には左CK崩れから、再び遠藤がファーサイドへクロス。丹羽が頭で折り返し、中央の米倉が合わせたシュートが相手GKの好守で防がれたものの、シュートはこの2本のみ。共にロングボールのこぼれ球とセットプレーからという偶発的なモノでした。

 他会場では鹿島が1点リードを許しているのに対して、レッズが1点リードした状況でハーフタイムに突入する中、徳島でのゲームはスコアレスで前半を折り返しました。実にシュート数が徳島4本-ガンバ2本。寂しい試合となってしまいました。
 ちなみに、前半終了時点だと優勝はレッズでした。

「負けても大丈夫」の無条件でリーグ優勝~どこも何も起こせなかったJリーグは危機か!?

 前半に全く機動力を見せられなかったガンバが後半開始から阿部に替えて、倉田を投入。より個人技での打開力と宇佐美・大森とのユース出身者らしい細かいパスワークでの打開を狙ってスタート。

 しかし、前半以上に徹底して自陣に引く徳島の集中力は自信から来る対応力で全く途絶えず。年間通して、ポゼッションを握る面でもリアクションの色が濃い今季のガンバではやはり何も起ここせない。そして、エステバン&斎藤のフィルターはまだまだ健在。しかも、59分にカウンターからキム・ジョンミンにシュートを許した際のプレーで、前半開始早々に接触プレーで傷んでいた米倉が負傷交代となり、ジェソクが右SBに回って、左SBに藤春が投入されました。

 ただ藤春がピッチに登場してから一気に左サイドで倉田や宇佐美が絡んでポイントを作り、遠藤も高い位置でボールを受ける場面も急増。それでもフィニッシュまでが遠く、次第にパトリックを使うロングボールやアーリークロスだけの単発極まりない試合に。

 69分、今野がバイタルでフェイクをかけながら足元に入れた縦パスを受けた宇佐美。しかし、そこからのカーヴをかけたミドルシュートも枠を外れ、その後も宇佐美のシュートはことごとく枠を外れて均衡を破れず。