今季も資金難との戦いとなった福岡は、今季も昇格戦線には絡めず、16位という散々な成績でシーズンを終えることとなってしまった。
この状況を打破すべく、元日本代表でJ1柏でヘッドコーチを務めていた井原正巳氏を来季の監督に迎え入れることを決定した。
正式な監督に就任するのは初ではあるものの、柏時代に二度、監督代行も務めており、監督の何たるかも知っているのは大きい。
そして何よりも大きいのは、2009年から5年半の間、名将ネルシーニョの元で彼のサッカー哲学に触れることが出来たことだろう。
まず、試合中の交代や戦術の変更により苦境を打開するシーンを間近で見ることが出来たこと。
そして、現状のチーム力に見合ったシステムを用意し、常に試合で起こりうる最悪のパターンを見越して対戦相手ごとに何種類もの戦術、パターンを用意し、それを分かりやすく選手に伝えていく為の準備を彼と共に行ったこと。
さらに毎日のトレーニングでどのように選手にその戦術を教えていくかを身をもって知ることが出来たのは、非常に大きいだろう。
筑波大学を卒業した地頭の良さも、ネルシーニョの哲学をより理解しやすくしてくれたであろうことは想像に難くない。
そして、ヘッドコーチには三浦文丈氏が就任することも内定している。
FC東京で現役を引退後、同チームを皮切りに横浜Fマリノス、新潟とコーチを歴任しており、経験豊富で現役時代から良く知っている盟友であるだけに、コーチングスタッフも整いつつある。
今季は守備が崩壊し、勝てる試合を数多く落としている福岡だが、アジアの壁は福岡に現役時代同様の安定感を与えられるか。
井原氏の新しい戦いが始まろうとしている。